【暑さ対策】
梅雨〜夏にかけては、長毛種や寒冷地が原産国の犬たちにとっては、とっても辛い季節です。
1.犬小屋周辺の暑さ対策
犬小屋を涼しい場所に移動できますか?
出来るようなら犬小屋の移動をして下さい。
犬がいる場所がコンクリートなら、「ウッドパネル=デッキパネル」又は「すのこ」などを敷くことで温度上昇を抑えることが出来ます。
土の場合は犬は地面を掘ったりして涼をとろうとしますが、コンクリートの場合はそれが出来ないですから。
それから、犬の移動する周囲域に日陰を作るように、園芸用の寒冷紗(かんれいしゃ)で
日陰を作ってあげてください。
色は、黒ではなく白や銀色の熱を反射しやすい色が良いと思います。
よしずなどを立てかけることでも随分代わると思いますが、犬が倒さないような工夫が必要です。
犬小屋の中は「すのこ」などで、風が通るような形にしてください。
風通しが悪い場合には、犬が悪戯できない場所へ扇風機を置くなどして送風する工夫をしてください。
2.室内での暑さ対策
室内犬の場合にも、注意が必要です。
エアコンなしで、閉めきった室内は室温があっという間に30℃を超えてしまいます。
そうなると熱中症を起こし最悪の場合死に至る事もあります。
お散歩の項でも触れていますが、犬は人の用に汗で体温調節を行えません。
体温調節の働きをする汗腺が足の裏(肉球)にしかないのです。
その為に口でハアハアとせわしなく息をして、体温を下げようとするのです。
飲み水は十分に自由に飲める用にして下さい。
犬をケージに入れている場合には、朝昼の時間で直射日光が犬のいる場所に当たらないようにするなど気を付けて下さい。
逆に、エアコンの冷気は床に溜まりやすくなりますので、人が良い体感温度は犬にとって冷えすぎることにもなります。
冷えすぎるのも体調不良の原因にもなりますのでエアコンの温度と湿度にも気を付けてあげてくださいね。
3.フードと飲み水(室内、屋外で忘れがち)
忘れがちなのが、飲み水です。
室内も屋外でも水はすぐ熱くなりますので水温が上がらないように置く場所にも気をつけてあげてください。
ペットボトルに水を入れて何本か凍らせてタオルでくるむと、夜などは犬小屋やケージの中などへ入れておくと簡易クーラーになります。
また、フードが腐りやすい季節ですから食べ残しや庭に埋めたおやつなどにも注意をしてあげてください。
4.お散歩の時間帯
犬はお散歩が大好きですね。
でも、一番犬に負担が掛かるのが、お散歩をする時間なのです。
アスファルトは、お日様で熱せられて高温になっていますから、犬の肉球が火傷を起こします。
ご自分の手をアスファルトに付けてみて【暖かい】と感じる場合には既にお散歩には適した時間帯ではないのです。
朝であればもっと早い時間、夕方でしたらもっと遅い時間にしてあげてください。
犬は肉球にしか汗腺がありませんので、体温を下げる為に口でハアハアとせわしなく呼吸をします。
体温も平熱が高いので、直ぐにオーバーヒートになって熱中症・熱射病になってしまいます。
短頭種や小型犬なども地面に身体が近いので、私たちが感じる以上に暑い思いをしています。
子犬や老犬などは体力もないのでお散歩時間には、ぜひ気をつけてあげて欲しいですね。
暑い季節、朝は7時半を過ぎれば既にアスファルトは木陰でも随分熱くなっています。
夕方、6時くらいでも未だアスファルトが熱いですね。
そんな中、真昼にお散歩をしている方も見受けられますが、ちょっと犬の肉球に触れてみてください。
肉球がじわっと熱く、汗で湿っていることに気がつくと思いまし、蒸れた足の臭いも感じることができます。
人の場合は冬のコートは脱げますが、犬は冬のコートを着たままなのですから、お散歩は早朝と日が暮れてアスファルトの温度が下がってから行ってあげて欲しいと思います。
目安は、手のひらを地面にあてて冷たいと感じる時間帯が犬にとって一番良いお散歩の時間帯です。
お散歩の時間に気をつけてあげましょう。
5.被毛や皮膚のお手入れ
毎日ブラッシングをして被毛の中に空気を取り入れてあげてください。
フケが多くなっていたり、皮膚が赤くなっていないか、寄生虫(ダニ・ノミ)がついていないかなど気をつけてくださいね。
水遊び等が好きな子は、外耳炎や皮膚炎などを起こしやすくなりますからよく見てあげてください。
水遊びで被毛が濡れたりシャンプーをした場合には、十分に乾かして下さい。
生乾きだと被毛が蒸れてスキントラブルを起こしやすくなります。
ドライヤーの温風より低温あるいは冷風や扇風機を併用すると早く乾きます。
抜け毛が舞い散りますので周辺近隣への配慮を兼ねて室内で行われることをお薦めします。
室内だと掃除機をかければよいのですから。
【熱中症】
熱中症になると、ハーハーと肩で荒い息をくりかえしてへたりこんでしまう、ぐったりしてしまう、舌の色が濃くなって赤黒くみえる、目が充血する、呼んでも反応がにぶい、ひどいときは尿を漏らすなどの症状が出ます。
そのような場合はすぐに日陰の風通しのいいところに移動させ、全身に水をかけたり濡らしたタオルを内股に当てるなどして体温を下げる応急処置をしたあと、急いで動物病院に連絡を取りましょう。
【犬の皮膚】
汚い地面のうえでも平気でゴロゴロするんだから犬の皮膚はとても丈夫だと思っていませんか?
いえいえ、そんなことはありません。
外気や紫外線にさらされることに慣れている人間の皮膚に比べ全身を毛に守られているぶん犬の皮膚はとてもデリケートでナイーブなのです。
皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層から成り立っています。
人間の表皮は外からの刺激を受け止めるため厚く丈夫になっていますが、犬の表皮は人間の表皮の5分の1くらいの厚さしかありません。
いわば粘膜の上に薄皮1枚が乗っているだけというのが犬の皮膚なのです。
皮膚を痛めつけるほどゴシゴシとブラシをかけたり、皮膚を濡らしたまま放置したり、刺激の強いシャンプーや塗り薬などは犬の皮膚にダメージを与えるので気をつけましょう。
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