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獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん前立腺肥大について
文章:けりーずはうす(獣医師) 加筆:ノリ(獣医師)
初出:2007/08/10
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前立腺肥大は、去勢手術を受けていない犬が、老化によりオスのホルモンがアンバランスとなり前立腺の組織が過形成を起こす病気です。

症状は、血尿や頻尿、尿の出が悪くなるなどの排尿障害。
前立腺炎や併発した膀胱炎による細菌感染。
前立腺は直腸の下に有るので大きくなった前立腺が直腸を圧迫することによって起こる便秘や便が細くなるなど排便障害などがあります。

レントゲンやエコー検査、前立腺の穿刺による細胞診断、直腸の触診検査、前立腺のマッサージによる前立腺の細胞採取などによって診断されます。

治療は内科療法と外科療法があります。

内科療法は、オスのホルモンを抑える薬で前立腺を小さくします。
利点:簡単で麻酔のリスクが無いこと
欠点:完治はしない、効かない場合もある(特に併発疾患が有る場合)。
 ホルモン剤であるので副作用があるかもしれない。
 最短で半年毎に投薬しなくてはならない(おそらく一生)。

外科療法は、永久的にオスのホルモンの影響を失わせるための去勢手術となります。
利点:重症で併発疾患が有る場合を除いて、大抵の場合には完治する。
欠点:麻酔をかけなくてはならない。太りやすくなる。

この病気はほとんどの場合が老犬で発症しますので、その時の犬の状態によって内科療法か外科療法を選ぶようになると思います。
ただし、前立腺肥大に前立腺嚢胞や前立腺膿瘍などが合併していた場合は、開腹手術により前立腺を切除するなどの治療をする場合もあります。

前立腺は抗生剤が届きにくい場所で、抗生剤が効き難い所です。
排尿に関係するところでも有ります。ひどくなると本当に治り難いです。
健康でよい生活をする為にも一般的に去勢が推奨されています。
発症する前に去勢することにより防げる病気ですから、獣医師側としては麻酔のリスクが低い若い年齢での手術をすることをお勧めします。

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