獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200503-109

RE、耳の整形
投稿日 2005年3月14日(月)13時28分 投稿者 田口正行

耳血腫では耳介の軟骨に炎症が起こり、軟骨が2層に分かれてくることで、血管が破綻し2層に分かれた軟骨の間に血液が溜まる病気と考えられています。
この血液を放置すると、線維素が形成され次第に線維化して治まってきますが、この際に耳介の軟骨には変形が生じてしまいます。

軟骨に炎症を起こす原因は、繰り返される刺激です(多くの場合 外耳炎、アレルギー、などの耳がかゆい病気に続発します)。
原因に外耳炎がある場合には、耳介が変形してしまうと耳道内の風通しが悪くなり外耳炎の管理が難しくなるので、外耳炎が原因の耳血腫では耳介が変形しないことを目的に外科手術などの治療が行われています。
(手術を行えば耳介は絶対に変形しないものではありませんし、インターフェロンの治療も耳介の変形は軽いそうです:僕はインターフェロンによる耳血腫の治療は経験がありません。)

残念ですが、すでに変形している耳介を元に戻すことは無理だと思いますので、この耳の形はこのままになると思います。
後は反対側にも起こりえますので(アレルギーでは特に両側性に起こりやすいですし、外耳炎も両側に炎症がある場合が多いので、、)注意してください。
(あまりかゆがるようであれば、早期に治療を行うことで耳血腫を予防できる可能性があります。)

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