意見交換掲示板過去発言No.0000-201009-25
Re:麻酔がかけられない犬の口腔ケアについて |
投稿日 2010年9月9日(木)10時58分 投稿者 プロキオン
他の先生方が、どのようにお考えになるかはわかりませんが。 >推定年齢でも高齢のワンちゃんが多く、他に疾患がある場合は、全身麻酔下での歯科処置には危険を伴う場合が多く、断念せざるをえないことがあると思います。 まず、この前提をつける必要があるのでしょうか? 麻酔の必要性の有無は年齢が決めるものではなく、患者自身の病状に左右されるものではないかと思います。どうしても必要な処置であって、麻酔下でないとできないというのであれば、やるしかないんじゃないかな。さしせまった必要性のない処置であれば、無理にまで実施することもないですけど。 例えばですが、逆に、飼い主さんに看護力量がなくて、継続的な抗生物質の服用も無理というのであれば、抗生物質を処方することの意味もないことになります。 まずは、患者を診てどのような状態であるかを把握することが優先でしょう。そこで選択される処置や治療となると、飼い主さんをみてということも必要になってきます。 また、繁殖に供されていた犬ということになりますと、本当の意味での老齢とも言いかねるのではないかと思います。一般的に考えれば、充分に麻酔をかけることができる年齢ではないかと想像しています。 動物は、工業製品ではありませんから、1頭1頭を診察していくことが必要です。ひとくくりに「老齢だから麻酔は無理」と決めてしまう事は、治療の選択肢を狭めてしまうだけでなく、意識の上で個々の犬達を見ていないことにもなりかねません。それでは、何のために繁殖場から犬達を引き出したのか、わからなくなってしまいませんか? 治療をするのとしないのとでは、それこそ天と地ほどの差がありますが、犬達を一括して見ているのであれば、その点についてはあまり差がないようにも思います。どうせなら、1頭1頭の犬に寄り添って、選びうる最良の選択をしてあげて欲しいと思います。 おそらく、心配や不安からの御相談かと思いますが、まずは、犬に会ってみてからです。そこから始まると思いますし、治療を担当する獣医師もみな違う人間ですし、技量も異なります。患者と飼い主さんと獣医師との組み合わせで、できる治療というのも変って来ざるをえないと思います。
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