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Re3:麻酔がかけられない犬の口腔ケアについて
投稿日 2010年9月10日(金)02時34分 投稿者 パールちゃん

横レス失礼いたします。
繁殖場出身のミニチュア・ダックスフントが手元にいます。

歯は下の前歯しか残っていなくてそれもグラグラ、歯周病に侵されて下アゴの骨が溶けています。また、上の歯茎は左右とも穴が開いていて鼻腔と貫通しています。鼻からの空気が漏れるとともに、食べたもの飲んだものが鼻腔に入ります。耳は慢性外耳炎で難聴。肝臓が肥大しています。不整脈、心臓の電気信号の乱れ、等々。
獣医さんは、いつ倒れてもおかしくない、走ることなんてできるはずがないという診立てです。
が、毎日楽しそうに全速力で走り回って遊んでいます。獣医さんはそれを見て「うっそ〜」。身体はしんどいのかもしれないけれど楽しい気持ちのほうが上回っているんでしょうね。
繰り返しの出産で身体はボロボロです。身体だけから推定すると14〜15歳ですが、遊び方や行動のひとつひとつを見ると4〜5歳にしか見えません。
年齢がいくつかなんてどうでもいいと思っています。やっと楽しいことに出会えたんだから、走り回っている最中にパタリと心臓が止まって終わりになってもいいと思っています。今までできなかったことを思いきりできる生活、それが繁殖場からの犬に用意してあげられる唯一のことです。

歯がない、残っている歯もガタガタ、アゴの骨が溶けている、そういう場合は本人が食べたがって不自由なく飲み込めるものならなにを与えてもいいと思います。硬いものが無理なら柔らかいものを、固形食が無理なら流動食を。痛みがあるなら痛み止めを。化膿しているなら化膿止めを。手術が無理なら対症療法でいいんです。
1匹1匹状態は違うので教科書はありません。ベストをめざさずベターでいい、そう思っていていいんじゃないでしょうか。
上記のダックス、歯がないんだからと食べやすいと思って最初はふやかしフードをあげていましたが、ふやかしてあるとかえって歯茎の穴から食べたものが鼻腔に行きやすく、むせたり鼻炎・肺炎の原因になりそうなためふやかしはやめました。今は小粒のフードを硬いまま、丸呑みで上手に食べています。給水ボトルで上を向いて水を飲むのはやはりむせる原因になるので、下に置いた器から普通に水を飲んでいます。
横の歯がなくて舌をきちんと収めておけないのでいつも舌が横から出ていて、ヨダレが常に口の下や胸に垂れます。
それが乾くと毛がガビガビに固まるので、ウェットティッシュで拭いたりときどき水洗いしたり、ほかの犬と違う特別なケアはその程度です。

繁殖場にいた犬は人間は餌を置いていくだけの物体としか認識していない場合があり、人とのコミュニケーションの仕方を「1」から始めなければならないことがあります。名前なんかついてなかった、人からやさしい言葉をかけられたことなんかなかった、なぜてもらうことなんかなかった、人にさわられるのは交配に連れていかれるときだけ、そんな犬が大半です。
安心して甘えてくるのにだいたい1ヶ月はかかると思います。馴れさせようと急がずに心を開いてくれるのをじっと見守るのがいいでしょう。
今まで得られなかった犬としての幸せはいくつになってからでも取り戻せます。たとえ先が短くても、それに寄り添えるのはうれしいことです。

追記
ケージに入れられっぱなしだった繁殖場からの犬は、歩いたことがない、それも平らなところを歩いたことがない(肉球を使っていない)ため、ケージから出してしばらくは足裏のチェックが必要です。

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