獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201010-35

Re7:猫の急性腎不全
投稿日 2010年10月24日(日)11時48分 投稿者 プロキオン

一度、レスを書いて投稿したのですが、成立していませんね。なにか投稿のミスをしていたようです。

>うちの猫みたいの急性腎不全で数値一回正常値にもどって、また悪くなるケースがありますか?その原因はなんでしょうか?病院の先生に一応聞きましたが、やはり原因はよく分からないみたいです。

そもそも病気というのものは、一進一退を繰り返すものですから、病状が安定しないことはそのものはあっても不思議ではありません。
ただ、急性腎不全という場合はその多くが回復に向かうのですが、これが慢性腎不全となると山あり谷ありで、なかなか病状が安定しれくれません、これはそれだけ腎小体の破壊が広範囲に及んでいるからです。
また、再度の悪化の原因は何かとお尋ねですが、この質問を患者を診ていないものに尋ねるのは、いささか酷にすぎると思います。原因に関わる情報をいっさい持ち合わせていないわけですから、キャベツ農家に「明日、秋刀魚を獲る網は、どこの漁場にかけようか?」と尋ねているようなものです。主治医の先生がわからないと答えているのであれば、それ以上の情報を他人が持っているわけがありません。
ここで質問をなされる方達は、にゃりぞうさんに限らず、みなさん同じ間違いをよくなさっています。それは、犬も猫も工業製品ではないということです。同じ規格精度で造られた部品を寄せ集めて造られているわけでもないですし、育った環境も飼育されている環境も異なります。食べている餌も同一ではありません。北海道と沖縄で暮らしているAとBという別個体の猫が同じ時期に同じ故障を起こすということではないのです。部品精度に問題があったから、一斉にリコールしなくてはならないということではないのです。Aの猫にはAの猫の診察と治療が必要ですし、Bの猫についてもBの猫の診察と治療が必要です。Aの猫は腎不全かもしれませんが、Bの猫は感染症かもしれません。CとDの猫は、同じ膀胱炎であっても、原因菌が違っているかもしれません。この4頭を同じに扱うわけにはいきませんし、CとDも治療法や予後を同じものとして扱うのも誤りです。
動物は工業製品ではありませんから、手元にまったく同じものを用意する事はできないのです。
患者の治療や予後については、やはり個別に診ていくしかありません。患者を診ていない者が、的確な回答をもっているわけが最初からあるはずがないのです、それはどのような高名な先生であろうと同じ事が言えます。診察無しではなにごとも始まりません。

>うちの猫の場合は皮下注射を毎日を続ければ、おしっこまたいっぱいしてくれるでしょうか?Cre値また下げてくれる可能性がありますか?

この答えも上記の説明でよろしいかと思いますが、にゃりぞうさんの記述の中で皮下点滴の量が気にかかりました。これだけの点滴量となると血管を確保して、そちらから点滴をされた方がよくないでしょうか?
また、これだけの点滴量を必要とする病状であれば、猫の拘束時間も長くなりますし、皮下組織の負担もあると思います、入院して猫の負担が軽くなるようにした方がよくはないでしょうか? 環境が与えている影響も考慮した方がよいのではないかと思います。

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