獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201011-14

Re:うさぎの腎臓病予防について
投稿日 2010年11月15日(月)09時17分 投稿者 チーママ

まずはウサギさんのご冥福をお祈り申し上げます。
よくお世話をなさいましたね。うさぎさん、きっと「ままのところにこれてうれしかった♪」といっていると思いますよ。

で、腎臓病についてですが、一言に腎臓病といっても多種多様に種類があり、ほとんど原因は分からないと聞いております。
糸球体腎炎を例に挙げれば、きっかけは感染症だったり、アレルギー性だったりときっかけは様々で、これをすれば腎臓病が予防できる確率が高くなるというものはないと思います。
まぁたびたび膀胱炎を繰り返す人が、挙句の果てに腎臓病にというのは、事前に回避できる方法があるかもしれませんが。

ということで、ごく普通に飼育していて腎臓病になった場合は、餌の種類や与え方などの飼育方法の問題というより、やはり「そういう体質だった」と考えるのが妥当かと思います。
また一度人間の腎臓病をお調べになると分かると思いますが(根本的には人間もウサギも変わりません)、腎臓病になった場合は水分制限があるくらいですから、より多く水分を取らせようとするのは、いかがなものか?と思います。病院で行った輸液は、脱水防止の補液というより、投薬目的ではなかったかと思いますが。
腎臓病になってしまったのは、何も飼い主さんのお世話の仕方が悪かったのではなく、その子の生まれ持った性質とお考えになってよろしいかと思います。

で、本などにある「水分を多く取らせる」というのは、ウサギのカルシウム尿が濃くなることによる膀胱結石などを、防止することを目的にしているのではないかと思います。
腎臓の弱っている子に多飲は、腎臓のろ過機能に過度の負担をかけますので、飼い主さんが積極的に飲ませる必要はないと思います。(獣医な方々、補足をお願いします)

またお目に留まったポカリスエットですが。
確かに多くのウサギが好みます。我が家のウサギも大好きです。
でもこれを常用すると、血液バランスを損ないますので、よろしくないと教えられています。
ただ何らかの症状で脱水を起している時、あるいは脱水予防のためには有効です。
食滞(消化器官の動きが低下して食べなくなる)を起した時なども、ただの水は飲まないのにポカリスエットなら飲む。それで消化器官が動き始めるという経験もあります。
ですから我が家では、非常用として常備しております。

>先日亡くなった子はネザーランドドワーフ(雌)で体重1.3kg、一日の水摂取量は80〜100cc。 病院のアドバイスで一日二回5cm四方くらいのレタス、体内の保水時間を長くすると言う「バランスウォーター」を一週間に一度与えていました。

大体にウサギは、他の動物より水分を多く取る動物ですが、一日の摂取量は非常に個体差があります。その上、どんな餌かでも違ってきます。野菜が増える分、飲水量は当然減ってきます。
(ちなみに我が家のウサギたちは食餌の半分以上が野菜なので、水ボトルを必要としません)
ですから、その子の普通を見極めることが、飼い主さんの第一のお仕事ですね。
それを基準に増えてきた、減ってきたを、季節や環境変化も加味して考えていく。
ウサギは環境に非常に左右される動物ですから、目の前の数字だけにとらわれずに、ウサギを取り巻く環境変化や食事内容なども考慮に入れて、判断する必要があります。
一日5cm四方くらいのレタスが、実際にどのような効果があるのか?何を目的とした指示か?は、あいにく分かりません。
なぜレタスなのか?については、きっと獣医さんの経験からでしょう。 
普通レタスは催眠作用がある成分がある、キャベツは甲状腺機能障害を起す、といわれていますので、何もわざわざレタスじゃなくても?(^^;;
もっとも、レタスもキャベツも、それだけを大量に長期間摂るのでもなければ、何も問題はありませんので、食べるなら普通に与えてしまっても良いのですが、野菜食の我が家では一応範疇外になっています。
バランスウォーターについては、あいにく知見がありません。

というわけで、腎臓病の予防ということにはお返事が出来ていませんが、それは「こうしたら腎臓病を予防できる」ということがないと、思っていただいてよろしいかと思います。あえて予防という点ならば、自然界ではウサギの食べない、人間の食べものを与えないということかしら?  
でもパンを食べても綿アメ食べてもまったく問題ない子もいますから、つまるところは、やはり「個体差」「その子の体質」というところに尽きる気がしますよ。

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