獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201103-53

Re:うさぎのゲリが治りません
投稿日 2011年3月25日(金)21時03分 投稿者 チーママ

写真を拝見するに、完全に未消化という感じがします。発酵が上手くいっていない。腸の動きが悪いということです。
去年の5月からというと、その頃何か生活に変化はありませんでしたか? 生活環境や餌を変えたとか、何か病気になったとか。
粘膜のついた糞というのは、ゼリー状の物がついているということでしょうか?
たぶんオレンジぽかったり、透明のものではありませんか?
だとしたら、腸壁が荒れているのです。ということは、腸内バランスが取れていない。
こういうウサギさんを、他にも知っております。飼い主さんは、毎日の糞を数えるほど一生懸命なのですが、どうにもおなかが弱い。たびたび食滞にもなる。
午前中にゆるゆるウンチで、午後は丸いウンチ。
夜間冷えていないかしら? ウサギさんのお腹は、発酵工場なんです。腸内細菌たちが食べ物を発酵させて盲腸糞を作ったりしています。モノが発酵する時は、かなりの熱が発生しますが、始めはある程度温度を保ってあげないと発酵が始まらないのです。
そのあたりは、ガーデニングやエコ活動で盛んになっている堆肥作りと同じです。
だから、ウサギは体温が高いんだと思っています(^^)

以下は、あくまでも私ならやってみるという、一飼い主の考えだとご承知おきください。
一度保温を考えてみませんか? 夜間寝ている間はお腹が冷えて、中身の消化活動がうまく進まない。なので午前中の糞は柔らか。昼間は動き出すし、室温もあがるのでお腹がうまく動き出す。これを繰り返しているから、なかなか腸内の荒れが収まらない。 そんな感じを考えるのですが。どうでしょう?
前出のウサギさんも、あれこれ整腸補助剤や蠕動を整える薬など与えても、一時良くても、それが続かない。お世話の仕方が悪いのではなくて、ちょっとお腹の弱いタイプのウサギさん。ひょっとしたら人間と同じに「低体温のウサギさん」というのもありかもしれません。それがその子の個性だと思ってくださいな。
では保温はどうするか。
1)一番手っ取り早いのは、ホットカーペットだと思っています。
1畳用のホットカーペットの上にサークルを置き、そこで飼うのです。気をつけるのは、全面ホットカーペットにしないこと。暑かったら逃げられる部分を残さなくてはいけません。(ちなみに我が家のウサギたちは、冬場ほとんどをホットカーペットの上ですごしています。関東の海側のマンションなので、他に暖房はしていません。)
2)ケージの中にペット用のヒーターを入れる。これも逃げられる部分が必要です。
3)「ホットパッド・うさぎ」で検索してみてください。ウサギさん用の暖め用具が見つかると思います。ただ現在は欠品のようですから、同じようなものは人間用を代用することもできます。あるいは、濡れタオルをレンジでチンして、ビニール袋に入れて使う。
これを背骨の腰から下に当てて、暖めてあげてください。熱くなりすぎないように、ご自分の手で確かめながら。でもウサギさんの体温は39〜40度はありますから、人間が温かいと思うくらいでは、温度が足りません。じっくり暖めてあげることが大事です。これは食滞の初期の時も使えますよ。朝晩やってあげても良いと思います。

そして、食べるようならば「牧草ペレット」を試みても良いかと思います。ペレットより、より牧草に近いので、ひょっとしたらちろりさんのウサギさんには、あっているかもしれません。
後は、あまりちろりさんが心配顔をしないこと。うさぎさんは、飼い主の気配にとても敏感です。いつもニコニコ笑顔で明るく声をかけてください。
お母さんの手は魔法の手です。手当てというように、3)の暖めをしてあげることによって、絆も深まります。ウサギさんが嫌がらないなら(ほとんどのウサギさんが好きなのですが)暖めながら、耳や肩をやさしくマッサージしてあげることも良いことです。
まずは、「体を温める」ことをしてみてくださいね。

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