獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201104-15

Re:ウサギのよだれ 
投稿日 2011年4月20日(水)17時58分 投稿者 チーママ

始めまして。うさ飼いのチーママと申します。
うさぎさん ご心配ですね。

高齢で前歯(切歯)が抜けて、舌が見えている。
(一部だと思いますが。下の歯でしょうか)
食欲はある。
ウサギを良く診る獣医さんに、歯の伸び過ぎなどの不正咬合はないと確認してもらっている。
唾液が濁っているので、唾液腺が炎症を起こしているのかもしれない。
以上のようなことでよろしいでしょうか?

不正咬合が見られないのによだれが続いている時に、次に考えられるのが口内炎です。
無麻酔で見る場合には、かなりウサギが上手な獣医さんでも、歯ぐきとほほの境目や、奥の方の口内炎など見逃すこともあります。
また人間的には問題ないように見えても、ほんの少しの歯の角のとんがりなどが刺激になっている事もありました。この場合は、怪しいところをなめらかにしてもらったりすると、おさまることもあります。
またあごの一部が硬く少し腫れているようになっている場合は、歯槽膿漏なども疑って、その部分の歯の根元周囲を確認してもらったりもします。

うさぎさん的に不都合がある場合は、食べる時の様子を良く見ると、片噛みしていたり、切歯で葉物が切れにくそうにしていたりと、食べたいのだけど食べにくくて食べないとか、何らかの兆候があります。
切歯で上手に野菜や牧草などをカットして食べているか、牧草が口に入っていく時に片方に送り込んでいないか、奥歯でペレットを噛みつぶす時に片側だけ使っていないか、顎は左右均等に横にすり合わせているか等、飼い主さんが良く観察することで不都合な部分が見当つく場合があります。
この間、うちの息子がどうもおかしいと診ていただいたところ、一見何でもなかったのですが、臼歯の一本が傾いていて、それが左右に顎を動かす妨げになっていたこともありました。この時は、どうも片方だけで食べているみたいと報告しましたので、すぐに判明しました。

口内炎の場合は、必ず当たっている歯があるのでなめらかにしてもらい、消毒してしばらく投薬すればおさまるはずです。歯槽膿漏の場合も、同じです。犬猫よりは歯槽膿漏になりにくいと思っているのですが、全くない事ではありません。この場合は、早期発見早期治療で、しっかり治してあげなくてはいけませんね。年齢からいっても、歯根があごの骨を圧迫、あるいは突き抜けてもおかしくはありませんから(この場合は、あごのラインがでこぼこになってきます。あごのラインは本来ストレートではありませんので、左右の顎をたどって比べてみると分かりやすいと思います。)、その辺りも確かめてみてください。
しこりで気になるのは、やはり膿瘍です。完全な(?)膿瘍になる前に歯の根の炎症は止めたいところですが、これはレントゲンをとらなくてははっきりとは判断できないので、一応想定して投薬と言う事になると思います。

こうした事をクリアしても、まだよだれが出ることもあります。
獣医さんがおっしゃるように唾液腺の炎症と言うのもあるでしょうし、微妙に全体のバランスが崩れているという事もあるでしょう。こうした時は、必要なら投薬しつつ、マメに獣医さんにチェックをしていただくしかないとは思います。歯茎に炎症はないか(歯肉炎)。口内炎はないか。どこかしら歯の角が鋭利になっていないか。噛み合わせた時に、左右均等に力がかかるようになっているか等々。これは獣医さんでなくては分からないでしょうから。 そして、今はバランスが崩れていても、うさぎさんが食べることで、徐々にバランスがとれてよだれがおさまることもあります。

飼い主さんとしては、ウサギさんが食べにくい様子がないかどうか。食欲が落ちる様子がないか。食べにくいので良く噛めず、お腹の調子を崩さないか等、良く観察してあげて、早め早めに獣医さんにご相談くださいね。

それと、よだれが続くと、涙目と同じに口の周りに炎症を起こすことがあります。
特に口角炎(人間でいう唇の角)を起こすと、ウサギさんは痛くて食べられなくなります。ちょっと見にくくて見逃しやすく、気がついたら口角が真っ黒(ただれて黒くなってきます。人間でも風邪などひいて、口角が切れてしまって痛いいう経験はありませんか?)になってしまっている事があります。まぁ、この場合は下手にいじらずに、じっと治るのを待つしかないのですが。獣医さんが内服薬を下さることもあると思います。
こうならない為にも、マメによだれは拭いてあげてください。少しゆるく絞ったぬれタオルで叩くようによだれを薄めて、後は乾いたタオルやティッシュで良く良く拭いて毛を乾かしてあげてくださいね。ウサギの皮膚は湿気に弱いので、ぬれたところが皮膚炎をおこしやすいので、どうか二次感染だけは起こさないように、丁寧にお世話してあげてくださいね。早く元気になります様、心から祈っています。

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