獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201110-25

Re6:医療ミスではないでしょうか?
投稿日 2011年10月11日(火)10時11分 投稿者 プロキオン

獣医師法は、診察をしていない診断というのを認めておりません。セカンドオピニオンという言葉も最近はよく使用されるのですが、こちらとて、患者の診察なしでは成立しません。
そしてセカンドオピニオンという言葉もよく誤解されているのですが、他の病院の意見を求めろではありません。それは、2番目・3番目の病院というように後の病院の見解が正しいということでもないからです。ドングリの背比べの中では、本当の事はわからないので、数をこなして平均的なところを知るしかないことになります。
セカンドオピニオンということになれば、この場合は、糖尿病についてより踏み込んだ検査やより専門性が高い病院であることが必要です。
ですから、私がラサアプソさんの犬について、獣医師として具体的に踏み込んだ見解を述べることは適当ではありません。

一般論としての糖尿病性のケトアシドーシスについてであれば、予後のよくない病気としてすでに言っているはずですし、病気の問題ではなく、病院の対応の問題なのだなというのが私が受けた印象ですので、これにはお力にはなれないと思います。

今回の症例に具体的に言及する事が許されるとすれば、やはり病理解剖を実施して、各組織に起きていた事象を確認する事が欠かせません。第三者が科学的な検査を施して、その結果に基づいての意見ということにならないとラサアプソさんも、病院側もお互いに耳をかたむけることができないのではないでしょうか? 両者とって、本当に必要なことはそういうものだと思います。

私にとっては、患者を診察しておりませんので、いつ・どこで・どのような処置が適切であったのかは、わかりません。犬は機械ではなく生きているのですから、個体差もありますし、病状の推移もあります。常に答えが決まっている問題を解いているわけではなく、患者にあわせて答えを探していかなくてはなりません。
ですから、獣医師としての意見を求められても、最初のレス以上に踏み込むことはありません。許されるのは、投稿に対してのお声がけまでだと思います。


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