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Re3:糖尿病と腎臓ケア
投稿日 2013年4月30日(火)19時13分 投稿者 けりーずはうす

慢性腎臓病がどの程度進行しているかによると思いますが。

糖尿病の療法食は、当院ではW/dではなく、同じHill's製品のm/dというのを処方しております。
これは「低炭水化物、高タンパク質」で組成されています。
この療法食で徐々にインスリン投与をフェードアウトできたという症例報告を見たことはあります。
既に、与えてみられてはいるのでしょうか。

上記のm/d組成と慢性腎臓病用療法食k/dの組成を比べますと、真逆ですね。
慢性腎臓病は「低タンパク質、高炭水化物」となっています。

では、どちらが良いか、というとやはりどちらの状態を優先的に治療すべきかという結論になります。
例えば、おっしゃってるように脱インスリンを目指しているのであれば、m/dでコントロールし、血糖値検査の際に腎機能もチェックしつつ
どうするか、今後の展望を話し合い、ということになります。
しかし、腎臓機能の値がかなり悪いのであれば、k/dなどの腎臓病用の療法食とし
インスリン投与を続けます。
その際の食事量は、とにかく一定量を与えていただきます。
当院では、療法食を受け付けてくれない猫には、理想体重からカロリー計算し
同じ食事を一定量与えていただいた状態で血糖コントロールをします。
猫の状態により、食事内容を変える場合も同じようにカロリー計算し、コントロールできているかチェックし直します。
※理想体重とは、現在肥満の猫であればBCS(ボディコンディションスコアー)から
導いた体重となります。
痩せているなら、逆の計算となります。
今の体重が理想体重ならば、それでカロリー計算すればいいですね。

糖尿病も、慢性腎臓病も一生付き合う病気ですね。
猫にとっても負担なく、飼い主さんにとっても負担なくまた猫がご機嫌で過ごせることを理想とすれば良いのだと思います。
長く付き合ううちに、どちらか一方が悪くなることもあるでしょう。
治療法で迷ったときは、このように思っていただいたら迷いも吹っ切れると思います。
よく検査の数値だけで心配なさる場合があるのですが、体重が維持できていて機嫌もよく食欲があることが大事でしょう。
とお話しています。体は、悪いなりにバランスを取ろうとします。
あまりにも、数字だけにこだわると動物の状態に目が行かなくなることがあります。
そうはならないように、気を付けてくださいね。

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