意見交換掲示板過去発言No.0000-201601-54
Re:麻酔銃の適応 |
投稿日 2016年4月8日(金)20時15分 投稿者 六
(別話柄で、先日はありがとうございました) 動物園・野生動物調査関係者から垣根越しに話を聞いているぐらいですが、いくつか誤解をしておられるかもしれないと思いまして。 ・今回のケースでは体重は分かっていたか、相当な確度で推算できたはずです。 ・一度で眠らせるために多めにするとは限りません。少なめ投与である程度の不動化が叶ってから追加するというのも定番で、多め投与で突然眠って脚を怪我することを、有蹄類では気にすることが多いはずです。 ・興奮で効かず、(冷や酒や親の意見のように)後で効いて死なせるのもよくあるので、少なめ投与+追加手段がまず検討されることが多いように思います。 ・ある程度動作が鈍くなれば(今回の関係者のスキルがそのレベルに達していたかは存じませんが)、シマウマならロープワーク追加で倒せます。 ・ゾウ・カバ・サイの類には通用しませんが、たいていの有蹄類は、行動範囲を制限できればロープで倒せるので。ロープで物理的不動化した上で筋溶性腎不全予防のために後から麻酔するのも定番です。麻酔銃一発で、とは限らないでしょう。 ・周囲への危険はそれほど緊迫したものではありません。ウマが逃げることはしばしばあり、近年報道された中では笠松競馬場の事故があります。珍しい動物と異なり、事故にならなければ報道もされません。馬関係者にとって、放馬は望ましいことではありませんが、珍しい事故でもありません。 詳細な段取りは公開されていないようなのでなんともいえないところは残りますが、知りうる限りでいえば、「麻酔死」ではなく、「麻酔による溺死」のように思えます。 ムクムク先生の案じておられる麻酔の使い方ではなく、大動物取扱スキルを持つ人がその場にいなかったことが原因のように思われます。
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