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岐阜の豚コレラ
投稿日 2018年9月13日(木)10時15分 投稿者 プロキオン

ずいぶんと久しぶりの発生のためか混乱があるようです。メディアの中には中国で猛威を振るっている「アフリカ豚コレラ」と混同しているとことも見受けられますし、発生した養豚場から、肉畜として出荷されてしまった豚に対しても意見が錯綜しており、何が問題なのかが理解されていません。

1、岐阜県で発生したのは豚コレラであり、中国や韓国で問題となっているのはアフリカ豚コレラであって、両疾病ははまったく別の病気です。

両疾病は、リンパ節の腫大・発熱・出血等々の臨床症状がひじょうに類似しており、そのへい死率の高さもあいまって、過去区別されずに来てしまった歴史があります。
しかし、ウイルス学的な検査ができるようになってきて、まったく別の疾病であることが確認されています。
豚コレラウイルスはトガウイルス科に属し、RNAタイプのウイルスであり、豚由来細胞ではCPE(細胞変性効果)を形成して増殖します。
また、血清学的に単一のグループというのではなく、牛ウイルス性下痢粘膜病ウイルス(
BVD)と交差反応を起こすことが知られています。このためか牛や山羊において発病することなく感染させることができるようです。

一方、アフリカ豚コレラはイリドウイルス科に属するDNAタイプのウイルスです。当初は骨髄や白血球系の細胞において培養されていましたが、今では豚由来細胞でもCPE形成をともなって培養されるようですが、ウイルスとしては近縁なものがないようです。
感受性のある動物は豚に限られており、イボイノシシのような動物には感染するとされています。

大きく異なる点としては、豚コレラに対しては1969年から接種されてきた生ワクチンが極めて有効な点に対して、アフリカ豚コレラについては有効なワクチンが存在せず、もう一つのウイルス特性もあいまって防圧が困難なところです。

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