トラ、君との突然のお別れから3週間になるけど
父ちゃんはまだ立直れてないよ。
ごめんな、体調悪いのに気付けなくて。
丸くなっている時間が増えてきたのは
壮年期に入ってきたからだと、気にも掛けなかった。
それ以外はいつもと変わらずに父ちゃんにスリスリしてくれたもんな。
でも、そんないつもの日常の中で少しづつ君の身体を蝕んでいってたのかな。
異常に気付いてから僅か3日後に君は逝ってしまった。
震災やその影響による来客、古傷を治す薬を無理矢理飲ませたこと
神経質だった君には相当なストレスだったのは確かだし、
それとも伝染病にでもかかっていたのかな
どうしてこんな事になってしまったのかは解からず終い
思いもよらない形で君の生涯を終わらせてしまった
後悔の毎日だよ。これほど時間を巻戻したいと思ったことはないよ。
君は用心深いネコだったね。外で自由に遊んでいても
決して自動車の通る道路には行かなかった
事故にさえ遇わなければ、あと10年は一緒に暮らせると
君の9歳の誕生日に思っていたんだ。
我家に来てからの9年間は楽しかったかい、幸せだったかい。
父ちゃんは君から沢山の愛を貰って凄く幸せだったよ
同じくらいに君も幸せだったのなら、父ちゃんは少し救われるよ。
卵焼きの入ったダンボールに入れらて我家に連れられて来る道中
君はプープーッて小さな体で精一杯の威嚇をしていたね。
家族は父ちゃんと祖母ちゃんの二人だけで、特に父ちゃんに懐いてくれた
忘れもしない21日目に初めて心を緩しゴロゴロしてくれた
いろいろ思い出されるよ
車で帰って来ると駐車場で出迎えてくれたね
風呂に入ってれば、脱衣場で待っててくれたね
語り掛ける様に「ニャー」って言う君に手を差し出すと
前足を乗せてきて精一杯背伸びしてスリスリしてくれたっけ。
お腹をさすって欲しくてコロンと横になる仕草
布団に入ってきてゴロゴロ、フミフミする仕草。
外でチューチューさんやスズメも何度も獲ったし
トンボは沢山獲った
狩りが成功する度に得意げな顔してたな
楽しかったかい、トラ。


虹の橋が本当に在るのなら、
父ちゃんが「そっち」に行くまで待っててくれるかな
そしたら、またいっぱい語り掛けてな
いっぱいスリスリ、フミフミしてな。

愛してるよ　トラ
愛してるよ　トラ