災害と動物掲示板過去発言No.0700-201103-69
Re:放射線の影響 |
投稿日 2011年3月23日(水)19時56分 投稿者 プロキオン
今、測定されているレベルの放射線量であれば、とくに何かをしなくてはならないという必要はありません。 報道で問題とされているヨウ素131とセシウム137については、マスコミも捉え方を誤っていると私は考えています。線量としては、問題視されなくてはならないレベルとは言えません。 これらの放射性同位元素が問題となるのは、自然界においては存在しない点にあります。どういうことかいうと、原子炉の中の核燃料に由来する元素だからです。これらが自然界において検出されるということは、原子炉内からの放射線の漏出があることを意味することになるからです。 つまり、これらの放射性同位元素の検出の背後に、もっと大きな問題が控えているからという事になります。ですから、ごく微量であっても、これらの元素が検出される事が意味する事が大きいのです。それゆえに、検出値がわずかでも騒動となりますし、基準値も低く設定されていて、重要視されることになります。 もともとが自然界にない元素ですから、一旦検出されれば、基準値の何倍という数字にならざるをえないというのが実情なのです。この「基準値の○○倍検出された」という表現がマスコミが好きなようで、本来の意味するところと異なって、一人歩きしている感があります。 真に重要なのは、これらの検出された線量が人体や動物に与える影響の方です。こちらの方こそが話題とならないとなりません。が、その報道内容というのが、直ちに人体に影響は無いというものですから、なおのこと何倍検出されたと言う方しか記憶に残らなくなってしまうのです。 さて、御質問にあった犬への影響ですが、基本的に犬だから人間よりも鋭敏に反応するということはありません。 乳幼児は控えて欲しいという表現は、体が小さいからという理由ではありません。新陳代謝の盛んな時期の人間(動物)、細胞分裂が盛んな組織は、放射性同位元素の影響を受けやすいからという理由からです。放射線によって損傷を受けた遺伝子が、修復される間もなく、そのまま複製されてデッドコピーが広がっていくことを懸念してのことと言えます。ですから、成長してしまっている個体であれば、人間の大人と同じ理屈になります。 とくだんの配慮が必要ということではありません。 また、配慮しようにも飲料水ということになりますと、その配慮をいつまでも継続できるというわけにもいかないと思います。 本当に心配しなくてはならない時期というのは、放出された放射性同位元素が、蓄積されて有意な量となる10年とか20年とか先のことです。(ヨウ素の方は半減期が短いので、そのような心配さえ、必要ありません。)
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