災害と動物掲示板過去発言No.0700-201104-212
Re:心配ない?懸念あり? |
投稿日 2011年4月21日(木)19時05分 投稿者 チッチ
鳥取県で起きたウラン残土問題。撤廃請求の住民訴訟と土地明け渡し等を請求した通称榎本訴訟が起きました。 提出された「意見書」( by 小出裕章氏)はとっつきやすく基礎知識のない私達にも何が問題なのか教えてくれます。 http://uranzando.jpn.org/uranzando/e_sosho/ko050309.htm 日付が2005年3月9日なので、古いかもしれませんが。 ・・・・・・・・・・ W.被曝を受け入れるかどうかは、被曝する人自身が決める 前章で詳しく説明したように、どんなに低い被曝であっても被曝には必ず影響がある。 しかし、原子力利用を進めようと思うかぎり、その事実を認めたくない。 そこで、原子力を推進しようとする人たちは、被曝量が低ければ影響がないかのように言い続けてきたのである。 科学は世界を曇りない目で見る上で、比類するものがないほど大切である。 しかし、その科学は万能ではないし、明らかにできないこともまた山ほどある。 その時には可能な限りの科学的知識を駆使して推測する以外なく、そうしてできるものが仮説である。 LNT仮説すら「安全側」になっていないと私は思うが、もし控訴人が、低線量の被曝には影響がないというのであれば、実在する科学的知識に基づいて別の仮説を示せばよい。 しかし、それができないからこそ、放射線被曝についてはどんなに微量であっても危険があると考え、世界各国で被曝の限度を定めているのである。 もともとICRPは放射線防護に関係する学者が集まって組織した団体であったが、原子力利用が拡大するとともに、純粋に「科学」的な仕事から離れ、被曝の安全基準を勧告するなど社会的・行政的な役割を担うように変わってきた。 ICRPが国家や原子力産業に次第に取り込まれていく過程をK・Z・モーガンさんは、「できの悪い子供を見る父親の心境だ」(注3)と書いている。 結局、ICRPはLNT仮説自体を否定できないため、新しい勧告で奇策に打って出ようとしている。つまり、自然放射線被曝より低い被曝から受ける危険は無視してしまってよいというのである。まさに、図7に示したものである。 しかし、これこそおせっかいと言うべきものである。低線量での放射線影響を科学的に明らかにすることが科学者集団としてのICRPの役割であったとしても、危険を受け入れるかどうかはあくまでも危険を負わされる人自身が判断すべきものである。 被曝を受けさせられる住民自身が嫌だというのであれば、どんなに低い被曝であっても、それを強制することは正しくない。 ましてや、被曝を強制するために、低線量の被曝は影響がないかのように言うことは科学に携わる者として恥ずべきことである。 ・・・・・・・・・・
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