災害と動物掲示板過去発言No.0700-201104-68
サーベイメーターと救護シェルターその1 |
投稿日 2011年4月8日(金)12時15分 投稿者 プロキオン
サーベイメーターとは放射線の測定器のことで、いくつかの種類があります。種類があってそれぞれに特性があります。今、テレビで見かけるのは、ガイガーミュラー式のサーベイメーターであって、これは「どこに」「どれだけ」の「放射性物質」があるかという検査には向いていませんし、放射性同位元素の種類を特定できません。 検知菅にとびこんできた放射線が時間当たりどのくらいの量になるかを知るための機器です。 換言すると、放射性同位元素の種類が何であって、体のどこに付着していて、その量はということを知ることはできません。音が一番大きくなるところに付着しているのだろうと一般人であるなら考えておられるかと思いますが、実は、天然の自然放射線という存在があります。何もないところで、空に向けても地面に向けても、放射線を検知して特有の音が鳴っているのです。 一般的な使い方とすれば、あらかじめその区域の自然放射線量を測定しておいてから、調べる区域で測定された線量から差し引いて、本当の数値を求める事になります。今回のような場合ですと、後追いで検査していますから、その区域における正確な自然放射線量は測定できていません。放射線同位元素装備機器の設置届けがでている施設における事前の数値、あるいは、マスコミで今目にする平均的な数値をもって代用するしかないと思います。 なぜ、このようなことを言っているのかというと、避難所おける測定時に常時「ピーピーガリガリ」と測定器が鳴っていたら、被災者を不安がらせるだけだと思うからです。 測定するときの「時定数」を変えて感度を落としておくか、音量を絞っておくくらいの配慮がなされているのでないかと想像しているからです。実際には計測している者が計測値をしっかりと見ていれば、音が鳴らなくても障はないわけです。しかし、使い方を知らずに用いれば、役には立ちませんし、パニックになることもありえるわけです。 放射線測定器の特性をそれぞれ述べるには、長くなりますので省略しますが、放射性同位元素がどこにどのくらいということになりますと、まず、とにかく放射線を検知することから始まります。 そして、方向特性が良い測定器で「どこに」を決め、そこからサンプルを採取して、「定量性」にすぐれた測定器にかけます。このときに機会にかける前処理が必要となります。 ヨウ素131とか、セシウム137とかは、原子炉に由来することがあきらかであって、早期に検出することができから、これらの元素が放射線物質の漏洩の指標として利用されているのです。が、プルトニウムとなりますと、これは取り扱いが面倒な元素ですから、容易にサンプリングしてきて何箇所も検査できるというわけにはいきません。 本当であれば、原子炉の冷温停止と併行して調査が実施されなくてはならないところなのですが、今は、その余力はなさそうに見えます。 プルトニウムは重いから、遠くへは飛散しないというのはそのとおりなのですが、重いといっても原子の質量ですから、見ている目の前に落ちるということではありません、吹き上げられた高さと風向きを考えてサンプル採取しないとなりませんが、どうも現状ではそこまで手が回らないようです。セシウムやヨウ素であれば、他県に測定してもらうのでも可能だと思いますが、プルトニウムは安易に依頼できません、実務でも法律でも制約があります。どこまでなら安全という線引きはまだできないのです。 私が先に述べているのは、「注意や慎重な行動」を求めているわけですから、知人が原発周辺に近づこうとしているのであれば、止めてあげて欲しいわけです。それが、逆に私にむかって安全なはずという主旨のことを言われても、私が発言を撤回できようはずがありません。 注意書きを読んだのであれば、知らない人に教えてあげる。教えられた人が、それでも行くというのであれば、それはその人の意思のはずです。妙な方向から私に話しを返されても、それは私にはどうしようもないことです。 犬を連れに行こうという人達も、本当は恐いのではないかな? 恐くないのであれば、そこにとどまってシェルターを造ろうという考えを持つ人も出てきているはずです。猫の保護ということになると、時間がかからざるをえませんし、また、実際、家畜の世話で踏みとどまっている被災者もいるわけですから。 私は、ただの街の診療医であって、目の前に私の患者がいれば、そちらを放置しておくということはできません。発言しておいた方が良いと考えての発言ですし、それを話しを別方向に持っていかれるのも困惑しますし、真意を測りかねるレスにも応じかねます。原発周辺に近づこうという人達が知り合いにいるという方達に私の話が伝わったのなら、私の役目はそこで終わっています。 シェルターや今、立ち上げられている救護所については、また、時間が取れたときにお話できるかな。
|
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |