災害と動物掲示板過去発言No.0700-201110-14
Re:避難者のペットの治療について |
投稿日 2011年8月6日(土)13時14分 投稿者 プロキオン
すでにペット防災ネットワークさんからレスがありますように、被災動物の診療については、各県単位で獣医師会が対応という形になっております。 私が被災動物の診療を実施したとすると、県獣医師会に報告して、そちらから一括して災害本部に申請するという手順になっています。これに関わる「申請書」や「意見書」も4月の時点で各動物病院に届いております。 したがいまして、必ずしも東京の動物病院でないと診療の提供がなされないということではありません。どちらの県におかれましても、獣医師会に所属している病院であれば、これらの手続きを承知していると思われます。 また、同時に個体の識別ということが、今回の被災では重要な要素となっておりますので、マイクロチップの挿入についても、協力をお願いすることになるのではないかと考えられます。 診療をお願いする動物病院につきましては、小学校であれば、「学校飼育動物」がいることが多いわけでして、そちらに協力されている獣医師もおられます。お近くの小学校で学校飼育動物への協力体制ができているのであれば、小学校経由で紹介していただくということもできるかと思います。 学校飼育動物へ協力されている獣医師も多く、そちらのメーリングリストもございます。今回の震災においても、被災地、石巻の救護センターへの発電機の輸送というのにもそちらのMLで、協力者をつのってリレー形式で輸送した実績もあります。 開業している獣医師は、みな自分の患者を抱えていますから、これを放り出して何日も病院を放り出しておくということはできません。ですから、関西から石巻までの区間を自分はどこからどこまでなら協力可能だという形で、何名かの獣医師でトラックに積んだ発電機をリレーして運んだのです。この話は、日本小動物獣医師会のサイトでも紹介されています。 また、神戸で被災された経験をもっている先生も、そのMLで現地と連絡を取っておられたり、申請書の情報等も交換されたりもしていて、被災にかかわる情報交換の場にもなっていますので、不明な点がありましても、すぐに情報が届くはずです。 今回の震災は、被災地が広範に及んでいますので、被災地にレスキュー施設をたちあげるだけでは間に合わないという意見が当初からありました。周辺の動物病院には、相当数の被災動物が収容されていて個人レスキュー施設になってしまっている実態がありまして、本来の診療体制がとれないという事情もございます。 後方支援の必要性は、震災の都度現地入りされている経験を有している先生方の間では早い時期から出ておりました。日本獣医師会も、その方向で各県獣医師会に要請をしていました。 これは、何も今回に始まった事ではなく、新潟の地震の時にも、私の大学時代の同級生は、山古志村から肉牛がヘリコプターで搬出されている頃、オニギリを握っていて、それを空輸してくれる自衛隊のヘリコプターに積んでいました。 マスコミは、どうしても牛の空輸の方へ目が行き勝ちですが、最前線ばかりでは、みんな疲弊してしまいます。それを支える後方支援もまた必要なことであって、それを欠いていると継続性がなくなってしまいます。今回の震災は、広範かつ甚大なのものですので、よりその必要性が重要となります。 投稿にありますご要望が1つの病院で対応できなくても、その地域の複数の病院となれば対応できるのではないかと思います。
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