獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-202101-28

Re:尼崎方式
投稿日 2012年4月3日(火)13時20分 投稿者 チッチ

尼崎方式が、中核都市独自のものなのか、ふるさと納税制度に動物愛護をのっけたものなのかは、調べてみないと分かりません。

平時は、たいした金額は集まらないというのは、そうだろうと思います。
しかし、制度にのっけることで動物愛護の社会化をアピールし、刷り込んでいく効果はあります。
ペット同行避難を法令化しても、大災害の混乱した非常時に、どれだけの人が意識して動くかです。災害と一口に言えません。規模や範囲等、様々です。

今回の原発事故を伴う東日本大地震の経験は、まだ検証し切れていない部分が多く、被災者の証言を集め、日本の”被災文化”とでもいったものを理解していく必要があります。

私が居住する鳥取市で具体的に考えていくと、災害時のアニマルシェルター候補として、様々な場合を想定して、複数の土地を候補としてあげておくのはともかく、「確保」はあまり意味がない。確保すると逆に、行政がそれに縛られて対応が後手に回る恐れがあります。
鳥取市中心部は活断層の真上にたっており、昔は沼地です。地盤がゆるく、1メートルも掘らずに地下水脈に当たる土地です。大地震と津波の多重災害の時、鳥取市指定の避難所に、私は逃げませんよ。
島根原発事故を想定した鳥取県の原子力防災計画も、行政区分に縛られて実用的でない。西部住民を東部に避難させる計画ですが、知識がある人は中国山脈を超え、山陽地方に避難するでしょう。

ペット同行避難は法令化する必要があります。飼い主一人一人に、出来る事をやってもらわないと、あとの行政対応が大変になる。しかし、避難所でのペット対応を画一化するには、現状では無理があり、方向性を示す形で盛り込んでほしいと思っています。

大災害時に地元愛護団体が行政、獣医師会と協働で有効に機能した幾つかの事例を検証すると、平時からの地道な活動実績があります。
災害経験のある地域とない地域では差があるし、災害は(幸いにも)しょっちゅう起きるものではありません。経験を積むには、平時から周辺地域との広域ネットワークを社会化していく必要がありますね。

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