獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-201011-27

Re:和様、プロキオン様ありがとうございました。
投稿日 2010年11月2日(火)10時20分 投稿者 プロキオン

投稿文中に記載されている「強い伝染病」というのが、何なのかが分かりませんが、基本的にワクチンが存在している病気であるのなら、ワクチンを接種することが第一義的な予防ということになります。
通常、ワクチンの対象となる疾病は、伝染性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)、カリシウイルス感染症、汎白血球減少症(パルボウイルス)、白血病、クラミジア感染症、猫免疫不全症(通称猫エイズ)という6種類の病気になります。

>先住猫5歳室内猫には予防接種というものを受けておらず、獣医師から、
消毒殺菌を徹底づけられましたが、
やはり、移る可能性は高いものでしょうか? 

猫のワクチンの主たるものは、ワクチンを接種してあっても感染を完全に防ぐことはできないものと考えてください。これは、もっとも一般的な三種混合ワクチンについて言えることなのですが、ワクチンによって得る事ができる免疫抗体がIgGと呼ばれる血液中に存在する抗体であって、ウイルスの侵入門戸である目・鼻・咽喉頭の粘膜に分布しにくいためです。そのために、侵入門戸におけるウイルスの感染と増殖までは防ぎ得ないのです。そこから全身にウイルスが拡散していくのを防ぐためのワクチンということになります。
つまり、感染しても全身状態の悪化や発病を抑えるためのワクチンということになります。このようなワクチンですので、未接種の猫が対象である場合は、すでに成猫となっていても、基礎接種は2回必要です。このあたりは、犬のワクチンとは異なります。

>徹底して消毒はしてます。

室内猫の感染源の多くは、飼い主さんの衣服や靴に付着して侵入した病原体ということになりますので、室内の消毒よりも、猶一層人間がらみの消毒が重要です。

>移ったとしても、早めの治療で、大事には至らないものでしょうか?

これは、そのとおりです。救命救急でも最初の3分の重要性が叫ばれていたからこそ、医者が病院で待っていることよりも、ドクターカーの必要性が出てきたということになります。また、インターフェロンのような薬剤においても、初期と時間が経過してからでは効果に差があらわれてしまいますので。

>とても強い伝染病だと知り、移らないように恐怖です。
多頭飼いをされてる方など、似たような事例を知っておられたら、

こちらは、病気が何なのかわかりませんので、なんとも…。病原体によって、感染しやすいもの、消毒薬に抵抗性のあるものとか、それぞれ特徴がありますので。

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