獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-201011-44

Re3:里親について(長文すみません)
投稿日 2010年11月18日(木)12時12分 投稿者 プロキオン

>まるまるさん

あまり角が立たないように一般論としてお話したのですが、どうも話が届いていないようです。
まるまるさんは、Aさんより猫を譲渡されたわけですよね。そして、今、その猫をまた誰かに譲渡なさりたいということですよね。
Aさんからまるまるさんが譲渡される時には、必ずや「この猫の一生を責任もって面倒見ます。」という約束が交わされていたはずですよね。ですから、今、Aさんに返されるという話であれば、Aさんがまるまるさんに対して言いたいこともあるはずです。でも「7歳になるまで飼育してくれたのだから、多くは言うまい。」ということになるのではないでしょうか。
ですから、Aさんのところに返すという話であれば、最初に申し上げたようにお二人の間で話しをしていただく以外に誰かが口を出すのは余計なおせっかいにしかなりません。

これがAさんではなく、まったく別のBさんに譲渡することを前提に譲渡の際の条件や譲渡の仕方とそのものに知恵を貸してほしいという相談になりますと、これは話の趣が違ってきます。
それは、まるまるさんがAさんと交わしたであろう約束が反古にされているからです。まるまるさんは、「譲渡する立場」でしか発言されておりませんが、掲示板を見ている者にしてみれば、先に「譲渡された立場」であることを知ってしまっているからに他なりません。7年間約束を守ってきたけれども、今後は守れそうにもないということを言っておられるわけですよね。
で、あれば、約束はしても守られる保証はないということを自ら実感なさっていなくてはならないのではないでしょうか? それが口約束であろうと、書面であろうとです。
だから、私は先のレスで譲渡を受けた人間の意志が尊重されなければと書いています。猫も譲渡を受けた人間のところに馴染むしかないと。
これを まるまるさんは新たな猫の飼い主となるはずのどこかの誰か(Bさん)についての話と受け取られたようですが、私にしてみれば一般論として話してはいますが、それこそまるまるさんご自身も含めての話のつもりでいます。つまり、まるまるさんが猫を譲渡するのを駄目と言っているわけではありません。
と同時に、一般論として、譲渡に際してさまざまな条件をつけることは、猫の引き受けてが見つかる可能性を狭めるだけだと申していますが、今回のケースに限ってのことであれば、まるまるさんが、そのような条件をつけて良いのかという気持ちもあります。第三者が相談に乗れないというのは、Aさんとの約束を守れない人間が、Bさんにより細かい条件付の約束を求める事の是非についてです。
これをストレートに言ってしまうのは、あまりに角が立ちすぎるから、一般論でそっけのない話をしているのです。

sumireさんのレスに「安楽死」ということが登場していますが、欧米であれば飼い主が飼育を継続できなかった際には、珍しいことではありません。そこには、自分と暮らす事が一番の幸せであって、その幸せを守る事ができないときには安楽死も飼い主の責任であるという考え方があるのです。獣医師の読む雑誌の中に「診察室での英会話」というコーナーがあって、そこでは海外への転勤で動物を一緒に連れて行くことが出来ないので、安楽死を依頼してきた外国人に対して、新たな飼い主を捜すという選択肢を提供して説得するという想定での英会話が掲載されていたことがあります。
ベストでなくても、ベターを考える、ベターが望めなくてもグッドはあればという発想ですね。
sumireさんのレスにおいても、新たな譲渡先に求めることよりも、まるまるさんが猫にしてあげることが出来る事の気持ちがあるように私には感じられました。

非難がましいことを言われていると感じられるかもしれませんが、猫を誰かに委ねなくてはならないことが避けられないのであれば、相手に求める事ではなく、相手を信じるしかないと思います。いろいろ尋ねたりするのは、かまわないと思いますが、それが猫の行く先を狭めてはならないと思います。手放さなくてはならないという時点で、すでに対等の立場での話しではないと思うのです。

私とすれば、まるまるさんがいろいろと言っていること自体が、猫を手放したくなくて行き先を閉ざして、猫との暮らしを続けざるをえない状況への自らや家族を追い込もうとしている。それを無意識にやっていることであると解釈する方が気持ちが休まるものがあります。こう申せば、先の私のレスも違ったように読むことができるのではないでしょうか?
想像ですが、sumireさんも同じようことを感じていらっしゃるのではないかなあと思ったりしています。

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