獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-201102-29

Re5:猫が噛んで困っています 捕捉
投稿日 2011年1月28日(金)10時51分 投稿者 プロキオン

熱弁をふるっていただきましたが、内容とすれば失礼ながら変わりがないように思います。私が最初に想像したことを裏付けていただいているようにさえ感じました。

ある品種の猫には、強い縄張り意識がありまして、これは雌雄を問わずに見られます。おそらく、そのような猫の血統に近い猫を飼育されているのではないでしょうか? そして、その猫を散歩に連れて行っているために、縄張りに対しての執着を強めてしまっているものと考えられます。
縄張り意識の強い猫が、通行人や飼い主に対して、突然攻撃的になってしまうという相談は、この掲示板にもしばしば登場する話題であって、程度の差はあれ、そこに収束されていくべき事柄かと思います。

散歩に行く事が好きと書かれていますが、これは猫にとっては趣味ではなく、仕事になっているのではないでしょうか。
雄の野良猫であれば、かなり広い縄張りをもち、その中に複数の雌猫が暮らしています。雄猫は逐次そこを巡回して、他の雄猫がやってきていないかを監視していないとなりません。それが自らの遺伝子を後世に残すためであるからです。そこを怠ってしまえば、我が子は他の雄猫に食い殺されて、雌猫も他の雄猫の子を産むことになってしまいます。歳をとって力が衰えて、他の雄猫に散々な目にあわされるまで、雄猫はこの巡回をつづけなくてはなりません。
できる限り広い縄張りを有して、そこで出来るだけ多くの雌と交尾して、たくさんの自分の子供を残すことが雄猫に課せられた使命ですし、雌猫も子供を育てるのに充分な縄張りを維持していくことが必要です。ですからこそ、避妊去勢された猫においても、「縄張り」ということになると、容易に引き下がる事ができないものがあるのです。そして、それは野良猫でなく飼育下の猫においても同じことが言えます。縄張りの巡回は、時として命がけの仕事ということになります。

Aki さんが飼われている猫も、おそらく縄張りの巡回・監視をせずにはいられないのでしょうし、そのために外へ連れて行けと命じている事になります。支配者である猫はおおよそ気まぐれなところがありまして、餌を出せ、散歩に連れて行け、なぜろといろいろ要求するくせに、少しでも気に入らない噛んできます。それは猫の特性であって、猫を放っておけば、人間と暮らしていく上で好ましくない部分が助長されてきてしまいます。
一昨日の投稿では、Akiさんは、私が動物は天使と考えているかのように述べ、厳しさが必要であるおっしゃられましたが、どうしてどうして、私から見ると、その厳しさが中途半端なのか方向が違っているのか、結果が猫に現れておりません。
猫にとっては、パーリアとしか写っていないのかもしれません。なにか、最初のレスの時点で感じた事、想像した事が、段々と形になってきている感すらあります。

まあ、それでも猫とどう接するかということになりますと、飼い主さんの専決事項ですから、Akiさんのお考えのとおりなさってくださって良いのですが、何が目的で相談してきたのかなとは思います。


◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。