ネコ掲示板過去発言No.1200-201104-6
Re4:猫の風邪 |
投稿日 2011年3月5日(土)11時42分 投稿者 プロキオン
ワクチンの接種時期というのは、季節的には流行が始まる前に2回の基礎接種が終了していることが望ましいわけであって、10月末頃までに接種してあれば良いように思います。 ですが、すでにそういう季節ではないので、猫自身の月齢に合わせてワクチンブレイクがおきそうにない月齢あるいは週齢を選んでということになります。 この場合のワクチンブレイクというのは、母猫から貰った免疫がワクチンの中に含有されているウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスが起こす炎症を鎮めてしまったりして、免疫が獲得できないことを言っています。 ウイルスが生きている不活化されているにかかわらず、体内に入ったウイルスに対して猫の体は炎症を起こして、これを排除しようとします。その結果として免疫抗体が作成されるようになるわけで、このときの炎症が弱ければ獲得できる免疫も弱いということになります。 そして、母猫ゆずりの免疫が充分に残っていますと、子猫の体内では炎症が誘発されませんから、病気への感染からは守られていることになりますが、その一方でワクチンを接種しても免疫が獲得できないという現象も起きてしまうことになります。 そこで、子猫にワクチンを接種する際には、この母猫からの免疫が失われていく時期を挟み込むような月齢を狙って2回接種することになります。そして、その時期というのは、ワクチンの銘柄によって多少異なるのですが、だいたいは生後2ヶ月くらいからとしている製品が多いはずです。 今回の相談の子猫は、人間に哺乳されて育てられたということですが、生まれた直後にどの程度初乳を飲んでいるのかが不明です。1〜2日でも母猫といたのであれば、そこそこの量は飲んでいたのかもしれませんし、極端な話、分娩された直後にそのまま母猫から意図的に離されてでもいれば、まったく飲んでいない事となります。 まあ、普通に考えれば、人口哺乳の猫といえども、生後直後の初乳くらいは多少なりとも飲んでいるのではないかと想像されますが、人工哺乳である点を考慮して、多少早めに動物病院に御相談されたらよいのではないかと思います。
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