獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-201012-21

Re:子うさぎの食欲不振
投稿日 2010年12月16日(木)11時44分 投稿者 チーママ

生後1ヵ月半で180gというのは、ネザーランドでしょうか。どちらにしても、あまりにも小さいですね。本来はまだ母親やきょうだいに温められている時期ですので、おそらく圧倒的に温度が足りないと思います。
ウサギの体温は39〜40度。子ウサギひとりであるなら、ケージをビニールでくるんで(換気注意)室温を40度くらいにしないと難しいです。
実際に11月に生後6週の子を迎えた時は、ホットカーペットの上(下からの冷えはシャットアウト)にサークルをおいて、なおかつそれをビニールでくるんでタオルケットを掛けて、それでも駄目なので遠赤外線ヒーターを購入して温めて・・・やっと40℃を維持しました。(ウサギ専門医から、40℃を保つようにとの指示で)
遠赤外線ヒーターはあたった部分の内部を温めますので、冷えたウサギを温めるには、我が家では心強い存在です。


実際に出来あがり1Kg前後のネザーの1ヵ月半の体重としてどうなのか?と気になりますが、何しろ食べてくれなくては話になりません。
生後半年までの下痢は致命傷になりやすいですから、下痢をしていないのが唯一の救いです。
餌は何を上げていますか? ペレットとアルファルファの牧草だけ?
こういう時は、何を食べてくれるかわかりませんので、思いつく限り少量ずつ並べてみてください。
我が家ですと、あれこれ野菜が並びます。
今まで与えたことのない野菜を与えるかどうかは、結局は飼い主さんの判断次第ですが。
ちなみに我が家で並ぶものは・・・
チンゲンサイ、シソ、パセリ、セロリ、クレソン、小松菜、サラダ菜、ブロッコリー、バジル、ミント、ミズナ、ニンジン等々 比較的香りものが食欲を誘う事があります。
果物ですと、バナナや薄切りのリンゴ、イチゴですね。 ブルーベリーがあれば、それも並べます。
この際 何でも食べてくれて、食欲のスイッチが入ってくれれば良いので、本当に気がつくかぎり何でも並べてみてください。まだあれば、タンポポやハコベといった野草でもよし。エディブルフラワー(食用の花)のバラなども、結構食べたりします。
また水分補給にポカリスエットなども効果的、かつ嗜好性もあります。
脱水を起こすと状況が悪化するばかりですので、ご一考を。

今回の食滞は、おそらく体温低下が原因と思われます。
ウサギの腸内では食べた物を発酵して栄養素に変えて吸収しています。
この発酵という作業をさせるには、かなり高い温度が必要です。
(だから体温が高いのだと思っています。)
体温が低下すると、腸内の動きが悪くなって、エネルギー供給が減ってくるからますます体温低下→胃腸の動き低下の悪循環になってしまいます。胃腸の動きが低下すると、ガスがたまったり、毒性のあるものが発生したり、下痢を引き起こしたりと様々な事が起こります。
ですからこの冬時期の3カ月未満の子ウサギは、特に保温が必要なのです。
本来ならば、耳はホンワリ暖かい事が多いものですし、冷たいと言ってもしばらく握っているとほんのり温まってきます。いつまでたっても冷たいなら、冷えているという事です。
またお腹の下に手を入れて、冷たいと感じるのも×。
体温40℃のウサギのお腹を触ったら、体温36度の人間の手なら「暖かい」と感じるのが本当ですね? その辺りを目安にしてみてください。

どうか小さな命が元気になりますように。心から祈っています。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。