獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-201106-10

Re:生後40日目
投稿日 2011年5月10日(火)00時59分 投稿者 チーママ

はい。もう機能的には一人前です。
目も見えますし、耳も聞こえます。人間の反応も良く学習します。
体のつくりからいえば、1歳児で離乳食もだいぶ進んでいると思ってくださいな。
ただこの月例ですと、体の保温機能は不十分です。ウサギの体温は39〜40度はありますし、本来この時期は兄弟や親にくっついて体温を保っている時期ですので、保温には十分気をつけてください。(冬場に迎えた子の場合、獣医さんに室温40度を保てといわれて苦労しました。)
生後半年くらいまでは、気温変化に非常に弱いです。
また離乳も完全にはすんでいません。
この時期の食事が一生の食事内容を決めますので、あれこれ考えて与える必要がありますが、お腹の細菌たちがまだ不十分ですので、下痢をしないように、糞の様子には気をつけてください。下痢は、月例のいかない子ウサギが、命を落とす一番の原因のひとつです。
もしもあまり食べなくなったり、動きが悪くなってじっとしていることが多くなったら、ケージを透明ビニールなどで囲って冷え込みを防ぎ、必要なら加温をしてください。
おかしいな?と思ったら、すぐに病院へ。これがウサギ飼育のコツです。


ウサギは食べ物を胃腸や盲腸で発酵分解して、栄養にしています。
ものが良好に発酵するためには、かなりの温度が必要で、だからウサギは体温が高いのではないかと思っています。 ですから体が冷え込むと、胃腸の動きが低下して、エネルギーが不足する。エネルギーが不足するから、ますます体が冷え込む。と悪循環に陥ります。
また生後4週過ぎあたりから、母親にもらった免疫が消えてきますので、トラブルがおきやすくなります。
この時期から3ヶ月くらいまでは、十分に注意してみていてください。それがクリアできたら、生後半年です。大体7ヶ月過ぎると体も出来上がってきますので、あまり神経質になる必要はなくなると思います。
一番良いのは、体重を量ることです。毎日順調に増えていれば、それでよいということです。反対に一見元気であっても、体重が停滞したり、減ってきたら、すぐに獣医さんに診ていただいてください。

実は、ウサギというのはかなり難しい動物です。ほかのペットに比べると、かなり神経も使いますし、手間もかかります。特有の病気がありますし、ほかの動物と違って使える薬と使えない薬があって、獣医さんなら誰でも診れるという動物ではありません。
昨今はウサギに熱心な獣医さんも増えてきましたが、一方で「ウサギは診ません」という獣医さんがいるくらいです。犬猫と小鳥が違うくらいに、犬猫とウサギは獣医療が違うと思っていてください。
ですから、まずしていただきたいことは・・・

1)体重計を買って、毎日体重を量ること。
2)1冊でよいので、ウサギの飼育所を読む事。またウサギ専門雑誌などを講読するのも、普段の飼育やウサギを理解するのに役立つでしょう。
3)周辺の獣医さんを探してください。ウサギを良く診る獣医さんを探しましょう。
被災したとのお話ですが、開業獣医さんは早くから立ち上がってがんばっておられます。
片道1時間くらいは、通院範囲だと思ってください。犬猫で評判だからと、ウサギが診れるとは限りません。ネットや直接電話して、調べておきましょう。
できれば、一度健康診断に行って、今の状態が良いかどうか診て頂くと良いですね。
最近のうさ飼いさんは、健康診断に通う方も増えています。
4)ウサギのことは、ウサギさんが一番良く教えてくれます。毎日良く観察しましょう。
そして、頻繁に声をかけてあげてください。たくさんお話をしてあげてください。
人間の子育てと変わりません。

正直言いまして、健康に飼うにはとても大変な動物です。手間もお金もかかります。
でもどのように飼うかは、飼い主さんの事情にもよります。
飼い方に「こうすべき」も「こうしなくちゃいけない」もありません。
私は「ウサギさんの数だけ、飼い主の数だけ飼い方がある」と思っています。
命を大事して最後まで責任を持つことさえ頭にあれば、後は飼い主さんができるだけのことをすれば良いと思っています。
こんな面倒なウサギですが、一度飼った方は、はまるんですねぇ(^^;;

実はウサギというのは大変賢いのです。
成長するにつれ、きっと今までのイメージが覆されると思います。
犬に近く、ネコと同じくらいと思ってくださってよいです。
学習能力が高く、個性も豊かで、遊び好きでとてもおしゃべりで、自己表現が豊かな動物です。
まずは毎日良く見て、どんな子なのかな?と理解してあげてください。
そしてウサギさんの言葉や表現が分かるようになってください。
叱る必要はないと思っています。根気良くほめて育てる。これがウサギです。
ウサギ自体には匂いがなく、トイレをきちんと掃除すれば、部屋がにおうこともありません。犬のようにシャンプーをする必要もありません。
やわらかい体にふわふわの毛は、癒しそのものです。
俺様がウサギさんの身上です。そんなウサギさんに信頼され、なつかれると、無上の喜びになるのです。
そのあたりが、ウサギにはまるポイントではないかと思っています。

本当にどこまで賢くなるのか?と思う毎日です。
我が家の7歳オスは、最近寝る時はベッドで腕枕で寝ています。せいぜい長くて1時間ですが。まさか猫のようにウサギと寝ることになるとは、思ってもみませんでした。
ドアを開けて。おなかがすいた。おやつ頂戴。もう寝ようよ。なでて、抱っこして。
ウサギの要求は限りありません。
犬と同じように、うさぎと話していることが当たり前になります。
きっとお子様たちには、良い慰めと仲間になってくれるでしょう。
何かありましたら、いつでもどうぞ。
どうぞ楽しいうさライフをお過ごしくださいね。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。