獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-202101-139

Re:飼いウサギにエンセファリトゾーンを発症させない為の一方法論として
投稿日 2014年4月8日(火)20時15分 投稿者 チーママ

可愛いうさぎさんの画像をありがとうございます。 この愛らしさ いつまでもそばにいて欲しいと思うのは、当たり前すぎですね(^^)
昨今のうさぎさん 長生きする子が沢山いるようになりましたね。
10歳越えはゴロゴロで、最近は健診のたびに13歳のうさぎさん3匹に立て続けにお会いしています。みんなうちの息子@10歳より元気元気。
獣医療が進んだせいかと先生に言ったら「飼い主さんの世話が行き届いているんですよ」だそうです。
10年前に比べれば、餌も良くなっているし、餌や環境についての飼い主の知識もいきわたっているし、健診に行く子も増えているし、何より「何か変だな」と思ったら飼い主さんが病院へ連れて行くようになった。だから長生きする子が増えてきたんです。とおっしゃいます。
もちろんウサギを診る獣医さんも増えていることもありますが。

本当は「良くある質問」のEZ症の記事、書き直さなくてはとは思っているんです。
10年前には大変恐ろしい病気で、突然死もあり得た病気だったのです。
それが近年は、そうしたことはあまり聞かなくなりました。
一つには、もちろん飼い主さんの早い行動。
2つには、獣医さんもEZ症に対する知識と対処法が知られるようになった。
それ以外に、先生と私では「どうもウサギとEZは、共存できるようになったのではないか」というイメージがあります。
つまりうさぎさんに耐性が付いたというか、発症しないままに終わった親から生まれた子が代々続いて、多少ウサギが強くなったのではないかという雰囲気なのです。
もっともこのあたりは、誰も研究していないので、全くの憶測です。
何しろ死後に組織検査して、見つかればラッキーと言う虫なので。
除去されてしまえば、痕跡が見つからないこともあり。
なんとも面倒な虫なのです。

と言うことで、確かに定期的に駆虫剤を投与したらどうか?というアイディアがわいてきます。
ところが、あいにくなことに、フィラリアのように月1回投与とはいきません。
駆虫するためには、3週間単位になります。
犬猫の様な肉食・雑食の動物は、腸内細菌にあまり頼りませんのでいいのですが、ウサギは草食動物で腸内細菌が命。
治療目的以外に、予防的に3週間投与した場合の腸内細菌へのダメージは確認されていません。個体差も大きいですが、お腹の弱い子に3週間投与した場合、細菌叢が崩れることがないとは言えない。うっ滞を起こすこともあり得る。
となれば、予防的に3週間投与するメリットはあるのか。と言うことになります。
また 薬の投与に慣れている飼い主さんとうさぎさんなら良いのですが、基本 シリンジで薬を飲むのが嫌なのがうさぎさん。毎日の飼い主とうさぎのストレスを考えたら、いかがなものかなぁとも思います。
また 決してお安くもありませんね。先生も、投薬の経過を見ながらにしたいでしょうから、1週間ごとに通院と言うこともあるかもしれません。

というわけで、定期的に駆虫剤を投与するというのは、飼い主は安心できますが(100%じゃありません)、うさぎさんとお財布的には…(^^;;
また もしまったく感染していなかった場合には、うさぎさんのストレスも、お財布の痛みも無駄と言うことになります。

もっとも、これは私の考えです。
我が家の主治医は「薬に敏感で、微妙な腸内細菌バランスをもつウサギには、余計なことはしない。」を基本としていますので、私もそれに沿っている意見だとは思います。
とはいえ、何も薬を使っていないかと言えばそうではなく、多少使いすぎても問題がないような胃腸の薬は、毎日の様子によって遠慮なく使う方だと思います。

ともあれ、いつもと様子が違ったら診ていただく、これと言った変化はないけれど、なんとなく低調だったら診ていただく、定期検診をする、そうしたことでよろしいのではないかと思います。
現在うさぎさんの寿命は6〜8年くらいでしょうか。それならば、平均的かなと思います。
そしてそれを越して、10歳でも元気印も夢ではない。かかりつけの病院では、最高齢16歳で亡くなったという子がふたり。 10歳越えたら、その子自身の根が強かった&神様の贈り物と思っておりますよ。
さて、我が家の6歳の肥満娘は、どこまで頑張るのかな?(^^;;
うさぎのおやじさんの愛兎さんも、これからますます賢くなる時期。元気に育ってほしいと心から祈っております。

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