獣医師広報板ニュース

爬虫類・両棲類・カメ掲示板過去発言No.2000-201911-79

Re2:カメが高所か落下しました
投稿日 2013年9月1日(日)11時14分 投稿者 プロキオン

>ナオさんへ

今回のようなケースですと、ミドリガメの体長さを記載していただいた方が、より状況が
第三者には伝わるかと思います。
まだ5cmくらいの子ガメなのか、すでに20cm以上に成長しているカメなのかによっても、高さ18〜19cmの衝撃が違ってくるからです。
( この高さを高所と表現しておられますので、おそらくは、まだ小さい個体なのかとは思うのですが。 )

まずは、甲羅と腹甲に外傷があるか否かを確認していただく事が第一で、その後に甲羅に守られた内臓器官に異常がないかを心配しなくてはなりません。
この場合ですと、残念ながら飼い主さんでは、状況を見ている以外に手立てはないように思われますので、どうしても動物病院の力を借りないとならないでしょう。本来は、カメの診療も日常的に引き受けていますという病院が望ましいのですが、レントゲンの撮影だけなら、一般的な動物病院でも可能かと思われます。

カメのレントゲンとなると、どうしても甲羅や腹甲が邪魔をして何も写らないのではないかと考えられがちなのですが、たしかにそのとおりで、ほとんどの場合で何も写りません。これが、逆に、何かしらのものが写っていたとしたら、それがすなわち異常があるということになるのです。
レントゲン写真に、ガスであれ、液体であれ、卵であれ、なんらかのものが写りこんでいれば、それが診断に結びつくわけです。レントゲン撮影における診断とは、基本的に画像の中の陰影の濃淡を読み取ることなので、その点については、カメであれ、犬・猫であれ、同じと言えます。
もっとも、内臓の位置や大きさ等、カメを診察しなれていない獣医師ですと、そこで躊躇せざるをえないのですが、何も異常が写っていないという確認であれば、できるかもしれません。( カメの撮影条件をお持ちでないでしょうから、そこそこの数の撮影の失敗を繰り返さないとならないでしょうが。)


カメ自体がまだ小さければ、体重もそれ程重くなく、衝撃も重度でもなかったのではないかと想像されますが、そのような場合ですと、カメが落ち着きを取り戻せば、日常生活に復帰してくると思われます。
ですが、今後のことを考えると、やはりカメの診察を受けつけている動物病院は捜しておかれた方がよいかと思います。

対象がカメであっても、レントゲン撮影以外にも、血液検査も行われますし、エコーや内視鏡も適用されていたりします。
また、カメにも卵が詰って産めなくなるということもあって、甲羅を切っての手術も行われたりします。
ミドリガメも30年40年と生きていくことが可能な動物ですので、長い飼育期間の間に動物病院の力を借りなくてはならない事態も考えておかなくてはならないでしょう。今回のことを契機に、カメにも診療があるのだということを考えられたらと思います。

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