野生と自然掲示板過去発言No.4000-201906-61
NHKスペシャル 被ばくの森 |
投稿日 2016年3月10日(木)10時26分 投稿者 プロキオン
3月6日にNHKで放映された番組について、写真家のMさんがご自身のブログで名作だと評価していました。 私も気になっていた番組でしたが、直に視聴することがかなわず、再放送を録画で見るということでやった視聴がかないました。 人間が居住していないことをもって、野生動物たちが人家を棲家として繁殖して、我が物顔にふるまっている。一時帰宅した人間の方の元住民が語るに、自分達の方がお客さんで動物の方が主人としてふるまっていて、縄張りに侵入しようとする人間に威嚇してくる というような話でした。 Mさんは、高齢化と過疎化が進んでいけば、いずれ日本のあちこちでこれと同じ現象がみられるようになり、とくに原発の放射能が絡んでいなくても、田舎であればどこでも起こりえることとして、原発がらみの特殊な事情に話しをまとめてしまうことを危惧されていました。 が、番組内で放映されていた野生動物や植物の体内被ばくの話しも、決しておろそかにはできない内容でした。猪もアライグマもキツネやハクビシンや猿等々の野生動物は、映像では普通の外観に見えてしまっていますが、放射線画像に捉えられている姿ではしっかりと体内被ばくが写っていました。 チェルノブイリでツバメの異常を調査している海外の研究者が、福島のツバメにも同じ現象が起きていることを述べていました。杉に起きている異常も出現頻度ではチェルノブイリよりも多いくらいで、5年の短時間のうちに進行していることがわかります。 けれども、これらの事実の後にかならず、まだ放射線の影響かどうかはっきりとしないというナレーションが追加されていました。そうでもしないと放送できなかったのでしょうかね? さまざまな研究者が福島に入っているようですが、霊長類の体内被ばくが進行しているのはここの日本猿が他に例をみない貴重な研究対象となることが番組内で示唆されていました。 (人間では出来ない実験ですし、猿を用いてもおそらく批判の的となってしまうでしょうから) 番組内では、人間が帰って来ても、一度野生動物の棲家となってしまったからには、彼らを山に追い返すことはできないだろうと元住民が述べていました。人家で生まれそこで生長した野生動物たちにとっては、そこが自分達の居場所であって故郷ですからね。よほどの圧力をかけない限り、出て行きはしないでしょう。 帰宅した住民たちだけで、それだけの事がなしえるのかというと、やはり困難なように思えます。 動物に侵入された人家で、畳のうえに草叢ができていた映像は、一瞬の映像ではありましたが、いかにも象徴的でした。 |
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