動物の愛護掲示板過去発言No.6000-202111-108
Re5:家畜とペット |
投稿日 2014年12月11日(木)12時00分 投稿者 プロキオン
>「何故、食べてよいのか」という問いに対する回答があるんでしょうか?理屈では導きにくいですよね。 時代が昭和から平成に替わった頃、NHKスペシャルがまだNHK特集だったころに「人間は何を食べてきたか」という一連のシリーズがありました。第一話がある農家が1頭の豚をつぶして肉だけでなく血の一滴まであますところなく、食糧とする過程が流されていました。その後もアンデスのジャガイモ、馬乳や駱駝のチーズなどがとりあげられており、人間が歴史の中でどのように食材を得て、それを育ててきたかを垣間見ることができました。 今の私達から見れば、人間が取るに足りないようなものを育てて命の糧となるようにはぐくんできたことを知る事ができました。人間はただ出来上がっているものを食べてきただけではなく、その一方で食糧になるように育てて来ている歴史をもっていました。「どの現場においても、そこには感謝と祈りがあった」とは製作プロデューサーの言葉です。 ところで、話は変わりますが、チッチさんは黒毛和種が白くまだらの斑紋ができてしまうという現象を気にかけておられませんでしたでしょうか? 実際に患者を目にしておりませんが、これも食べ物が関わっているのかもしれませんよ。 35年前に家畜衛生試験場に研修に行っていた際に山陰のある県から、頭頚部が白く変色してしまった黒毛和種の診断について相談が入ったことがありました。研究室の室長の先生もその白さに驚いて写真を見せてくださいました。 肉用牛の繁殖牛にしても、乳牛にしても、こんなにも白くなってしまうほど老齢牛をそのまま飼育しているということはありませんから、かなり驚いて写真をコピーしたくらいです。 もっとも、その驚き具合が受けたせいか、文献や資料探しの役目が私にまわってきました。 畜産関係の辞典のような書籍で紐解けば、銅の欠乏によって白化現象が起きる事が記載されていますが、普通に普通の飼料を食べていれば、そのような心配をする必要がありませんし、遭遇する機会も無い事でしょう。つまり、銅が欠乏するような代謝が進行しているのではないか、銅を欠乏させているのか何(元素)かというお話になったのですが…。 結論を言うと、相談してきた県の担当者もある推測をもっており、その推測とこちらの考え が一致してしまったので、敢えて「銅欠乏症」という診断で終わる事になりました。 家畜衛生試験場にもこれに関わる資料がなかったので、食品総合研究所まで出向いて集めた資料なのですが、これはその県の担当の方がもって帰られました。何しろ35年前のことですから、その方もとっくに退職されているでしょうし、資料も残っていないことでしょう。 私にしてもコピーしたはずなのですが、残っていません。 食べるものによっては、こんな事も起きるのだという記憶だけが残っている次第です。
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