動物の愛護掲示板過去発言No.6000-202111-373
Re:日本は動物愛護の後進国? |
投稿日 2018年12月22日(土)18時11分 投稿者 megumi takeda
1、「ペットショップで生きた動物を売っている国は、少ないのでしょうか」について。 結論から言えば、それは「嘘」です。 まず先進国の範疇ですが、西北ヨーロッパ、北米、オセアニア、シンガポール、香港、台湾などがあります。 これらの国で、生体販売ペットショップを法令で禁止している国は一つも確認できません。 自由経済下の民主国家では、職業の自由が保障されています。 また日本の独占禁止法に類する法律があり、経済の自由競争が保障されています。 特定の業種業態である、生体販売ペットショップを全面的に禁じることができないと判断するのが妥当です。 日本で特に「生体販売ペットショップがない」と喧伝されている国には、イギリスとドイツがあります。 しかし両国とも生体販売ペットショップが多くあります。 まずイギリスですが、生体販売ペットショップは約3,000店舗あるとの複数の統計資料があります( https://ornamentalfish.org/what-we-do/represent-the-industry/pet-shops/ イギリスのペットショップ団体による資料)。 対して日本の生体販売ペットショップ数は、総務省経済センサス基礎調査 平成26年版( https://www.stat.go.jp/data/e-census/2014/index.html )によれば、5,045店舗あります。 人口比では、イギリスは、日本より1.6倍も生体販売ペットショップが多いのです。 なお、イギリスでは、犬猫もペットショップで展示販売することが合法です。 有名な、子犬の安売りに特化した、dogs4us という、巨大店舗ペットショップチェーンがあります。 店舗名で動画検索してください。 ドイツは、生体販売ペットショップは約4,100あり( https://de.wikipedia.org/wiki/Zentralverband_Zoologischer_Fachbetriebe_Deutschlands )、人口比では日本の1,2倍あります。 もちろん犬猫の展示販売が合法です。 世界最大の生体販売ペットショップはドイツにある、Zoo Zajac と言う店です。 店舗名で動画検索すれば、この店での子犬販売の様子が分かります。 アメリカには、約3万5,000店舗のペットショップがあります。 その数は日本の約7倍であり、人口比では約2.4倍です。 もちろん犬猫が売られており、その多くがパピーミル由来とされています( https://me.me/i/most-pet-store-puppies-come-from-puppy-mills-puppy-mippies-2d7d03870c384a098f52988219e2d8c1 )。 2、次に「日本ではインターネット通販での生きた動物の販売は禁止されていますが、これなども他の先進国では当たり前なのでしょうか」についてです。 結論から言えば、「特定の動物(動物愛護管理法で定める愛護動物)の、非対面のインターネットなどでの通信販売(対消費者)を全面的に禁じている国」は、おそらく日本だけと思われます。 北米(アメリカ、カナダ)、オセアニア(オーストラリア)、EUとスイスのうち、犬などのペットの生体の非対面通信販売を禁じている国はありません。 アメリカ、オーストリア、スイス、イギリスは、犬などのペットの非対面通信販売は、業者の資格要件などを定めていますが、日本のように全面的に禁じてはいません。 大変盛んに、犬などのペットのインターネット販売が行われています。 まずアメリカ合衆国では、ペットの非対面通信販売の規制は、繁殖用メス犬を4頭以上保有する業者のみが対象です。 ブリーダーの免許が必要で、免許の取得には750ドルが必要です( https://www.ibtimes.com/new-regulations-imposed-internet-pet-sales-usda-cracks-down-puppy-mills-1404197 2013年)。 言い換えれば、繁殖用メス犬が4頭未満か、ブリーダーの免許を得ていれば、犬の非対面通信販売は全く合法です。 なお、規制対象は犬だけです。 EUでは、ペットの非対面通信販売を禁じている国はありません( https://www.theparliamentmagazine.eu/event/illegal-online-pet-sales-–-case-self-regulation )。 イギリスは、犬のインターネット販売が大変盛んで、2016年の全英ケネルクラブの推計では、犬の取得のうち、4分の1がインターネット販売によるものでした( https://towcester-vets.co.uk/2016/09/paw-week-12th-lets-stop-puppy-farming/ )。 イギリスは2018年10月1日までは、犬などの非対面通信販売の規制が全くありませんでした。 しかし2018年10月1日以降は犬に限り、非対面通信販売を行う業者に対しては、インターネット上の広告に、販売業者の免許番号、犬の生産地、現在の飼育地を明記することが義務付けられました( https://www.gov.uk/government/news/animal-welfare-boosted-by-new-law-coming-into-force )。 スイスは、2018年3月1日から、連邦動物保護規則(Tierschutzverordnung)76条aの改正により、犬に限り「販売者は名称と住所をインターネット上に明記すること。犬の生産地と飼育地の明記。プロバイダはその情報に責任を持つこと」が規定されました( https://www.admin.ch/opc/de/classified-compilation/20080796/index.html )。 それ以前は、匿名であっても、犬などの生体の、インターネットでの非対面通信販売が合法でした。 2015年のスイスのマスメディアの記事によると、スイスの新規登録犬の約半数が輸入犬で、そのほとんどがインターネットで購入されたものとしています( https://www.20min.ch/schweiz/basel/story/Suesse-Welpen-entpuppten-sich-als-Kampfhunde-20440176 )。 EUのうち、ドイツなどでは、いまだにインターネットなどの非対面のペット生体の通信販売の規制がありません。 ペットの生体の、インターネットによる非対面通信販売は、日本以外の国では禁止されておらず、非常に多く行われています。 |
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