[人畜共通伝染病] [ホーム]

人畜共通伝染病とオウム病について

平井克哉(獣医学博士・岐阜大学名誉教授)


 3.わが国における愛玩鳥の汚染状況
  オウム病クラミジアは極めて幅広い鳥種および動物種に感染宿主域をもつが,人の
  感染源としては鳥類のうち,オウム・インコ類が最も重要である。わが国では1954
  年に繁殖場の愛玩鳥からはじめて病原体が分離され,患者の発生と関連して断片的
  な疫学的調査が行われたに過ぎなかった。最近,中部地区における繁殖場,卸売業者
  ,小鳥店,一般家庭および動物園で斃死する愛玩鳥(国産鳥および輸入鳥)から病原ク
  ラミジアが高率に分離されることが報告され,国内で飼育されている愛玩鳥に本病
  が広く浸淫していることが示唆された(表3)。

  オウム、インコ類からのクラミジアの分離(表3)
由来供試羽数分離羽数分離率
某卸売業者
 輸入鳥(東海)
'80-8363642066.0
 国産セキセイインコ'8020310853.1
 国産セキセイインコ'861513925.8
 国産セキセイインコ'871001818.0
小鳥店
 岐阜
'80-8230310.0
 全国'831213226.6
一般家庭
 岐阜・名古屋
'80-8230927.3
動物園
 名古屋・京都
'81-83601931.7

  5.予防対策

このページは平井克哉先生より許可を得て、川村幸治が作成しております。