@05年ー06年 鳥インフルエンザ対策 学校飼育動物を考えるページ 全国学校飼育動物研究会
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鶏から 鳥インフルエンザがうつると 怖がる人が多いので 以下の情報を出しました。05年11月18日
都家畜衛生(都内でこの問題を担当している部署)の方から、
「全く同意見。鳥インフルエンザについて、学校関係者にいたずらに不安を煽ったり、過大に恐れる
ことは無いと言って、学校への正しい知識の普及啓発に協力・支援を」と返事をいただいてます。
(結構、学校は悩んで、鶏たちを駆逐しています。先日、「ウコッケイが年取ったから 牧場に引き取ってもらって、
ウサギに替えた」との 子どもの作文を見ました。)
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(本文)
学校での鶏たちからの感染を心配する向きもあるようですが
今の鳥インフルエンザ問題は、日本の学校の鶏とは別問題です。
今、恐れられていることは人のウイルスが発生し、感染した人により日本に運ばれ流行することです。
人にウイルス病を感染させる一番の原因動物は、人間です。
すでに、国内の、しかもひっそりと少しづつ飼われている学校のニワトリたちの問題からは、
全くはなれた事態になっています。 簡単まとめ(問題の整理)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●人の新型インフルエンザウイルスは日本ではなく、海外で生まれる
今、東南アジア・中国などで 鳥同志の感染が続いて、時々人にも感染しています。
それで、世界がこの地域から新型インフルエンザが発生し、それが世界に拡散したときに、大流行と多くの犠牲者がでることになると恐れています。
学者は新型インフルエンザウイルスが、国内の鳥から発生することは 心配していません。つまり、日本では平成16年の流行期とは異なり、今は国内でのH5N1型鳥インフルエンザの発生がないからです。現在の国内の学校のニワトリへの警戒は意味のないことです。
もしも人の新型ウイルスが発生したら、もうニワトリの問題ではなく、病気の人がウイルスを運ぶことを警戒する訳で、すでに人の問題になっています。
また、元気なニワトリ自体が突然この病気になり、人に移すのではありません。
必ず東南アジアや中国など?他の国からの、人や輸入品・輸入鳥を介した感染の原因があるわけです。 野鳥も感染経路として疑われていますが、日本ではまだ証明されていません。
茨城を中心とした低病原性鳥インフルエンザの発生は、国が禁止しているワクチンを 畜主がこっそり
うったのではないかと、考えられています。財産である鶏を病気で失いたくないためだったと想像されます。
が、国はワクチンで抗体を持ったものも、すべて処分に決めています。
それは日本全体の養鶏業を守るために行われています。人への健康被害は心配していません。
●日本のニワトリから直接人に感染するか?
もともと病鳥からの直接的な人への感染は殆どないのですが、
もしもニワトリたちに病気がうつったとしても、小学校では、ニワトリが過密に飼われてもおらず、外気が通う環境ですので、養鶏場のように狭い閉鎖鶏舎に人が入って、舞い上がる大量の糞を吸い込むこともありません。
それで、小学校などのニワトリたちが、人に健康被害を与えることは殆ど心配されていません。それに、あの2年前の大規模鶏舎での事例(鶏がどんどん感染し次々と死んでいた。つまりウイルスの入っている糞が粉になって舞い上がってただろう中で、かなり長い間、毎日従業員が作業していた)でも人への健康被害はありませんでした。
東南アジアなどの人への感染例は、ワクチンなどで症状が見えなくなっている病鶏が沢山いる中で生活している人や、その病鳥を食べた人たちです。物理的にそのような鳥の腸内容(糞)を大量に吸い込んだり、口に入れてしまったと考えられています。肉やタマゴは大丈夫ですが、生きた病鳥を調理した際の腸管の処理や、まな板などの処置に問題があったのでしょう。
つまり 日本がそのような状態(病気の鳥が沢山いる中で人が生活し、あるいは、それぞれの家庭で生きた鳥を購入して、さばいて食べる習慣)にあるなら、鳥に警戒しなくてはなりませんが、現在は、国内にこのH5N1型鳥インフルエンザウイルスの発生もありません。
つまり、日本では学校の鶏たちを危険と考えている学者はいません。考える議題にものせていません。
農水省は国の養鶏産業を心配し、厚労省は、外国からの人の新型インフルエンザウイルスの波及を心配して、行動計画をたて、発信しています。
● この冬にインフルエンザにかかるかもしれないからといって、今健康な人を隔離しますか?
高病原性インフルエンザが発生していない日本で、鶏達を現時点で隔離することは、「今 病気ではない人を、この冬にインフルエンザにかかるだろうから、今から隔離しておく」と、同じことで、科学的な処置とは言えません。
●学校は地域に正しい知識を発信する場所
学校は 非科学的なことを子どもたちに発信するのではなく、しっかりした科学的な冷静な視点を養うようにしなければならないでしょう。
「保護者が文句を言ってきたので、鶏たちを排除する」とか、「将来危険があるから、今までこどもたちが可愛がってきた鳥を よそにやってしまう」などの、愛情もない、しかも非科学的な処置ではなく、
「動物の病気について知識のある獣医師の支援を得て、愛情を大事にして、かつ科学的な処置」を子どもに見せて頂きたい
と思っています。
学校は 教育の発信場所ですから、こどもたちに科学的な対応を伝えれば、その保護者が落ち着き、やがて地域全体が落ち着くでしょう。学校は地域のセンターと言えます。
● なによりマスコミの方にお願い
こどもたちの愛情を大事にして、また生命尊重の気持ちを培うように、 この問題を慎重に扱い、誤解を招かないように科学的な報道をおねがいいたします。
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全国学校飼育動物研究会
事務局長 中川 美穂子
T0422-53-7099 F0422-56-9086
m-nakagawa@vet.ne.jp
「学校飼育動物を考えるページ」
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/
「学校飼育動物研究会」
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/siikukenkyukai.htm
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全国学校獣医師連絡協議会(CAS) 主宰
お茶の水女子大学 子ども発達教育研究センター 研究協力員
日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会 (動物介在教育支援)
(202−0023 西東京市新町5−16−29)
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それでも鶏が怖いかたは下のサイトに
状況別対応法 (日本の鶏が感染した時を、ご心配なら見て下さい)
ウイルスの性格など(日本での鳥から人にうつる事例が殆ど考えられない訳)