空気人形           |  
  
2009年 日本 ロマンス・エロティック    
  
<監督>是枝裕和 
<キャスト>ペ・ドゥナ ,   ARATA ,   板尾創路 ,   余貴美子 ,   岩松了 ,   柄本佑 ,   オダギリジョー  
  
<ストーリー> 
川沿いの古びたアパートに住む冴えない中年男、秀雄(板尾創路)と暮らすのは、「代用品」の空気人形(ペ・ドゥナ)。ある日、心を持ってしまった空気人形は、メイド服を着て、外へと向かう。外の世界は、新鮮で、美しく、そして、出会ったビデオ店の店員・純一(ARATA)に、彼女は、恋をしてしまう・・・。
  
<感想> 
久々に、ペ・ドゥナの最新主演作ということで、初日に見に行きました。
  
ほとんど情報を入れずに見たのですが、思った以上に大人の映画でした。
  
空気人形・・・それは、男の寂しさを癒すラブ・ドール・・・。
  
あまり日の目を見ない、淫靡なイメージのラブ・ドールですが、今作は、空気人形が、心を持ってしまうというファンタジーです。 
しかも、本来、空気人形が担う、エロティックなシーンも出てきます。 
”部品”を洗うリアルなシーンもあって、ギョッとさせられたり・・・(^^;。 
でもそれは、孤独で、からっぽな愛の残滓のようで、なんだか、うら悲しい場面でした。
  
心を持った人形が、外の世界を楽しむ様子は、とても美しくて、微笑ましいです。 
新しいことをひとつひとつ学んだり、美しい(からっぽな)ビンを集めたり、何でもないことでも、新鮮で、楽しそうでした。
  
そして、空気が抜けてしまった彼女に、純一が息を吹き込むシーンは、彼女の悲しみと喜びを同時に感じさせられる、強いインパクトのあるシーンでした。
  
ただ、彼女の出会う人々は、それぞれ孤独で、寂しい人たちばかり。 
心を持っているはずなのに・・・。
  
彼女も、心を持ったことで、得たことも多いけれど、孤独や、悲しさ、苦しみなど、負の感情も持つことになり、戸惑ってしまうのです。 
でも、生きるって事は、そういうことなんですよね・・・。切ないなぁ。
  
演じるのは、韓国女優のペ・ドゥナ。 
たどたどしいけれど、味のある日本語が、空気人形に、とてもよくマッチしていました。 
透明感のある、この雰囲気は、彼女以外の女優さんでは出なかったのでは・・・と思います。(2009,10,03)
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