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白いリボン           |  
  
2009年 ドイツ・オーストリア・フランス・イタリア (THE WHITE RIBBON) 
ミステリー    
  
<監督>ミヒャエル・ハネケ 
<キャスト>クリスティアン・フリーデル,  レオニー・ベネシュ,  	ブルクハルト・クラウスナー	
  
<ストーリー> 
第一次世界大戦直前の、ドイツの田舎町。ドクターが家の前で落馬して、大怪我を負って以来、その町では、いろいろな災難や、事件が立て続けに起きる。どの事件も、犯人は分からず、町は、疑心暗鬼に包まれてゆく・・・。
  
<感想> 
さすがミヒャエル・ハネケ作品。 
終始、緊張感に包まれた映画でした。 
そして、ここで終わって欲しくない!と思うところで、ぷつんと、映画が終わってしまうのも、いかにもハネケ。 
まだ私は、ハネケ作品は3作目(「隠された記憶」、「ピアニスト」)なのですが、その中でも、この作品が一番、分かりやすいような気がしました。 
でも、結局、はっきりした解決は、画面上では、何もないんだけど(^^)。
  
映画の中では、人間の心の裏側を、これでもかと言うほど見せつけられて、暗澹たる気持ちがしてきますが、 
モノクロの映像は、シンプルで美しかったです。
  
舞台になるドイツの田舎町は、一見とても、平和で、健全な町。 
大人は謹厳でまじめ。 
子どもたちは、礼儀正しくて、物わかりがよく、おとなしい。 
でもそれは、厳しく抑圧され、恐怖に押さえつけられた結果の、うわべだけの姿。 
本当の姿は、激しく不満が渦巻いていたはずです。
  
小さい子どもにとって、大人、中でも親は、絶対無二の存在。 
鳥を拾った男の子や、ドクターの息子の姿は、まだまだ純真で、可愛くて、唯一、ほっと出来るシーンでした。 
でも、ある程度の年齢になれば、子どもだって、大人のいろいろな姿が見えてきて、心の中には、いろいろな思いが芽生えてくるはずなのです。
  
見ている内に、感情を押し殺した子どもたちの姿が、痛々しくも、怖ろしく見えてきました。 
でも、実は、一見紳士なドクターの言動に、打ちのめされるのでした。
  
いろいろな事件があり、全て未解決で終わってしまうのですが、 
中でも、怖ろしかったのは、障害のある子が犠牲になった事件。 
あの真相を、読み解いた人がいて、なるほど〜〜!と、目の前の霧が晴れると同時に、恐怖するのでした。(2012,05,03)
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