死刑にいたる病          |  
  
2022年 日本 
サスペンス・犯罪      
  
<監督>白石和彌 
<キャスト>阿部サダヲ,  岡田健史,  岩田剛典,  鈴木卓爾,  中山美穂
  
<ストーリー> 
大学生の筧井雅也(岡田健史)は、ある日、死刑が確定した連続殺人犯、榛村大和(阿部サダヲ)からの手紙を受け取る。その手紙には、最後の事件だけは冤罪であると書かれてあった。そこで、雅也は榛村に面会に行くのだが・・・。
  
<感想> 
ホラーとかサスペンス系の映画は大好きですが、その中の”痛い”系は、全くだめなジャンルで、この映画は、まさしくその系の作品でした。 
もちろん、それだけの映画ではないのですが、特に映画が始まり、主人公・大和(やまと)の犯罪の様相がわかるシーンでは、韓国映画の残虐シーンを見慣れているとは言え、なかなかに辛い映像が多くて、めげました。
  
主演の阿部サダヲさんは、ほのぼの系もダメダメないい人系も見事に演じられる俳優さんですが、そういう人が、こういう恐ろしい役をすると、とりわけ衝撃度が高かったです。 
特に、普段は、人のいい住人を装っている大和が、一転して犯罪者の顔になる時は、そのギャップにおののきました。 
彼の表情、そして、光のない黒目。不気味でした。 
このような役を見事に演じられるとは、さすが阿部サダヲさんです。
  
ダブル主演のもう一人は、岡田健史。(今年の8月からは改名して”水上恒司”となられたそうです。) 
今まで暗い役ばかり見ている彼ですが、今回の役は、まさしく極めつけでした。 
端正な顔も前髪に隠れて、あまり見えず、表情も、よく分かりません。その上、ぼそぼそのしゃべりは、聞き取りにくくて、その言葉を理解しようと、常に緊張を強いられました。 
おそらく監督の指示で、そういう形になってのではないでしょうか。
  
どこまでも、人の心理をもてあぞぶような大和の言動には、虫酸が走ると同時に、人間の暗い面をとことん描き出していて、ラストには、また新たな衝撃が待っていました。 
人が狂気に陥るのは、その人の背景にある血筋なのか、それとも、その人個人の問題なのか。揺れ動く主人公雅也の恐怖がわかるような気がしました。(2023,03,26)
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