ダウト 〜あるカトリック学校で〜            |  
  
2008年 アメリカ(DOUBT) 
ミステリー    
  
<監督>ジョン・パトリック・シャンリー 
<キャスト>メリル・ストリープ ,   フィリップ・シーモア・ホフマン ,   エイミー・アダムス ,  ヴィオラ・デイヴィス	
  
<ストーリー> 
1964年。ニューヨーク・ブロンクスにあるカトリック学校では、フリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)のことで、ちょっとした問題が起きていた。それは、新人教師、シスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)の受け持つ教室の黒人生徒・ドナルドと、フリン神父との間に、何かがあったのではないかという疑惑だった・・・。
  
<感想> 
名優たちの共演で、映画を見ながら、わたし自身も、いろいろな疑惑に、翻弄されてしまう映画でした。
  
厳正で、まじめで、昔ながらの考え方を固持し続けている校長のシスター・アロイシアスと、 
柔軟な考え方をするフリン神父との対立。 
そんなフリン神父に、浮上したある疑惑。 
映画では、割とよくある疑惑で、しかも演じているのが、フィリップ・シーモア・ホフマンなので、あぁ、そういうことなのか、困ったなぁーー。 
という感じで、見始めました。
  
その後も、二人の対決や、生徒の母親との話し合いなどもあり、 
疑惑は、大きくなったり、やはり違うのかと打ち消されたり・・・。 
でも、やっぱり、そうだったのかと、思った矢先の、 
ラストシーンでのシスター・アロイシアスの涙。 
これでまた、わたしの頭は、混沌としてしまいました(^^;。 
いったい何の涙なのか。 
そして、ダウトとは・・・?
  
allcinemaの解説を読むと、「劇作家ジョン・パトリック・シャンリィが9.11の衝撃とその余波が大きな影となって人々の心を覆ってしまった世情を背景に書き上げ・・・」と書かれてあったので、あぁ、そういうことなのかと、映画の言いたかったことが分かったような気がしました。
  
主演のメリル・ストリープは、あくまで厳格な学校長を、ピシリ!と音がするほどに演じていて、憎たらしいほど。 
一方の、疑惑を持たれるフィリップ・シーモア・ホフマンは、人の良さそうな笑顔の裏に、何を隠しているのか、それとも何も隠していないのか。最後まで、はっきり分からない演技で、すっかり翻弄されました。 
その二人の間には、新人教師役のエイミー・アダムス。 
初々しさとともに、意欲と、正義心に燃える彼女の演技もとてもよかったです。
  
一度芽生えた疑惑は、人の心を揺るがし、どんな人でも、決して平常心ではいられなくなる・・・。 
人間の心の弱さを見事に描いた作品だと思いました。(2010,06,17)
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