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ベニスに死す           |  
  
1971年 イタリア・フランス
  
<監督>ルキノ・ヴィスコンティ  
<原作>トーマス・マン   
<キャスト>ダーク・ボガード  ,   ビョルン・アンドレセン  
  
<ストーリー> 
1911年、音楽家アッセンバッハ(ダーク・ボガード)は、休暇のため、ヴェニスにやってきた。しかし、ベニス到着早々、不愉快なことが続いて、不機嫌になってしまう。しかし、同じホテルに宿泊している、一人の美しい少年、タジオ(ビョルン・アンドレセン)を見かけてからは、彼の目はタジオを追い、心は、彼のことで占められるのだった・・・。
  
<感想> 
疲れ、痛めつけられた芸術家は、奇跡のような偶然で、神々しいまでに美しい少年を目撃する・・・。
  
「家族の肖像」のルキノ・ヴィスコンティ監督作品です。今年は、「山猫」を見たので、彼の作風にも、だいぶ慣れてきました。 
セリフが極端に少なく、俳優の表情を見て、映画の状況を理解する感じですね。 
今まで見た、この監督作品の中では、一番分かりやすい映画という気がしました。 
初老の芸術家が、美しい少年に魅せられる映画なのですが、その少年役のビョルン・アンドレセンが、掛け値無しに美しいのですから、この映画の主人公、アッセンバッハでなくとも、彼から目が離せなくなること請け合いです(^^)。 
もちろん、監督も、彼と出会って、驚喜したらしいです。それは、そうでしょう。美しさも、年齢的にも、まさにこの瞬間、この映画のために生まれてきたかのような彼〜〜。
  
神経質で、鬱々としたアッセンバッハが、思わずうれしそうに笑顔を見せるシーンが、とても印象的です。そのシーン、ボートに乗って、再びホテルに向かう時が、彼の人生の中でも、ひときわ輝く幸せの瞬間だったのではないでしょうか。 
それ故に、命の危険を十分に承知しながらも、少年の姿を追わずにいられなかった。そして、自分自身も、美しくなければならなかった。そんな彼は、痛ましく、目を背けたくなるほど醜悪なのですが・・・。なんと、時間とは、運命とは、無慈悲なものなのでしょう・・・。
  
原作(トーマス・マン)を読んでみてもいいですね〜。(2006,12,06)
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