モーリス           |  
  
1987年 イギリス ロマンス
  
<監督>ジェームズ・アイヴォリー 
<キャスト>ジェームズ・ウィルビー  ,   ヒュー・グラント  ,   ベン・キングズレー  ,  バリー・フォスター
  
<ストーリー> 
20世紀初頭のイギリス。ケンブリッジ大学に進学した青年モーリス(ジェームズ・ウィルビー)は、同じ寮生のクライブ(ヒュー・グラント)と知り合い、彼から求愛される。しかし、その頃、同性愛は、犯罪として厳しく処罰されていた。二人は、プラトニックな関係を貫き、大学を卒業した後、クライブは、弁護士になるため、モーリスとの関係を清算するが、モーリスには、未練が残る・・・。
  
<感想> 
美青年たちの恋物語です。
  
主人公のモーリスは、同じ大学の寮生であるクライブによって、自分自身の同性愛体質に気づかされ、彼との愛の生活にのめり込むのです。しかし、クライブは、大学卒業後は、仕事の体面上、あっさりと、モーリスと別れて、女性と結婚してしまいます。
  
大学を卒業しても、同性愛者として生き、結局犯罪者として断罪されてしまう人。 
卒業と同時に、社会的な地位を重んじて、性癖を平然と切り捨てる人。 
同性愛者としての自分を抑えきれず、危険を冒しつつ、その世界にのめり込んでしまう人。
  
当時、同性愛者は、犯罪者として逮捕され、裁判まで受け、世間的に抹殺されてしまう時代です。 
同性愛を貫くことは、非常に危険なことでした。
  
モーリスは、自分に正直に生きようとして、その深みにはまってゆきます。 
その反面、モーリスをその世界に引き込んだ張本人のクライブは、さっさと、社会的地位を重んじて、その世界から足を洗うのですが、それは、本当の気持ちを押し隠しての生活でした。
  
どの生き方が、一番いいのかは、その人によるのでしょうが、同性愛が犯罪とされていたこの時代、モーリスの生き方は、危なっかしくて、見ていて、ヒヤヒヤしてしまいました。
  
クライブ役のヒュー・グラントは、この時、まだまだ若くて(27歳ぐらい)、お肌すべすべ、とっても綺麗で、見惚れてしまいます。 
ヒューのファンは、必見ですね(^^)。 
彼の役どころは、冷静で合理的、時には、冷たさを感じるのですが、この時代、自分や、家族を守るためには、こうしなければ、ならなかったということでしょう。
  
いつの時代でも、同性しか愛せない人は、いたはずで、比較的、世間に認めらている現代は、彼らにとって、本当に、幸せな時代が到来したわけですね。
  
20年以上前の映画ですが、今流行の?ボーイズラブが描かれていて、十分満足できる映画でしたよ〜(^^)。(2009,10,17)
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