四日間の奇蹟          |  
  
2005年 日本 ファンタジー・ロマンス     
  
<監督>佐々部清  
<原作>浅倉卓弥   
<キャスト>吉岡秀隆  ,   石田ゆり子   ,   西田敏行  ,   松坂慶子  ,   平田満  ,  中越典子 ,  石橋蓮司  
  
<ストーリー> 
天才ピアニストとして活躍中だった敬輔(吉岡秀隆)は、ロンドンでの公演終了後、暴漢に襲われていた少女、千織(尾高杏奈)を助けたために、大切な指を怪我してしまった。指は元には戻らず、ピアニストの夢を断念した敬輔は、その事件で両親を失った千織の保護者となった。千織には、天才的なピアノの才能があったため、二人は、全国の施設をまわり、慰問演奏会を開いていた・・・。
  
<感想> 
「このミステリーがすごい!」通称「このミス」が、募集した第一回大賞受賞作が原作(感想はこちら)です。 
でも、残念ながら、原作を読んだときから、二番煎じの匂いがしてしまって、いい話なのに、もったいないんですよね。
  
映画も、敬輔の過去や、真理子の過去など考えさせられる要素がたくさんあるのに、とりとめなさを感じてしまいました。 
この不安定感は、最初は敬輔が主人公だと思っていたのに、後半は、明らかに真理子が主役になっていたからかもしれません。 
真理子役の石田ゆり子は、優しくて、しっかりしていて、それでいて控えめで、どことなく不幸を感じさせてしまう役にぴったりでした。
  
ただ、ラストは、やっぱり泣かされました。 
死に際に4日間の猶予を与えられたら、人は、どうするか。 
この奇蹟は、真理子が背負ってきた不幸と、千織の神に通じる何かが引き起こした奇蹟そのものでしょう。こんな事が起こったらいいなぁと言う、まさにファンタジーで、この世界に浸れるか、浸れないかで、映画の満足度は、変わってしまうでしょうねぇ。 
だから、ラストのピアノのシーンの照明など、もっと幻想的に、仕上げて欲しかったです。(2006,08,13)
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