八日目の蝉           |  
  
2011年 日本 
サスペンス     
  
<監督>成島出 
<キャスト>井上真央 ,   永作博美 ,   小池栄子 ,   市川実和子 ,  余貴美子 ,   平田満 ,   劇団ひとり ,  吉田羊	
  
<ストーリー> 
野々宮希和子(永作博美)は、不倫相手(田中哲司)の子を妊娠するが、中絶。二度と子供を産めなくなってしまう。その後、男の妻が子供を出産したことを知り、留守中に家に忍び込み、赤ん坊を誘拐してしまう・・・。
  
<感想> 
幼い頃に誘拐事件に巻き込まれた女性の事件の軌跡と、その後の家族の物語です。
  
登場人物は、誘拐犯である希和子を含めて、皆、長所も短所も持ち合わせた、どこにでもいる普通の人たちのように思えました。 
しかし、あるとき、希和子が激情に駆られて、常軌を逸してしまうことで、事件が起こります。
  
一見、希和子だけが異常な行動をとったようにも見えますが、実は、彼女の周囲の人たちも、それぞれに屈折していて、彼女をそのような行動に追い詰める一因となる行動をしているわけで、事件の発生は、これらのいろいろなファクターを重ね合わせた上で、紙一重で起こったのではないかと感じました。 
しかし、重大な一線を越えてしまったことで、希和子にとっても、またその事件に関連したすべての人にとっても、重い宿命を担うことになってしまったのでした。
  
映画は、それぞれの人物が的確に描かれていて、それぞれに感情移入でき、もし自分だったらと、思いながら見ていました。
  
キャストも熱演で、特に、明るいイメージしかなかった井上真央の屈折した抑えた演技が印象的でした。
  
この作品は、2011年の日本アカデミー賞を総なめしました。 
私は、原作も読み、NHKのドラマも見たので、時間的制約のある映画では、描かれていないところも多く、その点、ちょっと物足りなく感じてしまいました。 
ドラマの方も、おすすめです(^▽^)。(2013,01,06)
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