リチャード・ニクソン暗殺を企てた男           |  
  
2004年 アメリカ 犯罪・スリラー    
  
<監督>ニルス・ミュラー  
<キャスト>ショーン・ペン  ,   ナオミ・ワッツ  ,   ドン・チードル  ,   マイケル・ウィンコット    
  
<ストーリー> 
1974年2月22日。バルチモア国際空港に、ある男が現れた。男の名は、サム・ビッグ(ショーン・ペン)。彼は、別居した妻(ナオミ・ワッツ)と子供と、再び一緒に暮らすために、事務機具のセールスマンという職を得て、必死に立ち直ろうとしていた。しかし、状況は、サムの思うとおりにはならず、彼は、不満を募らせていった・・・。
  
<感想> 
実際にこういう事件があったそうです。有名人になると、誰がどんなことを考えて、どんなことをしでかすか分からないので、怖いですねーーー(^^;。ただ、この映画の主人公、サムの場合は、あまりにも、幼稚で、行き当たりばったりな、動機と計画でした。
  
ですが、彼の内面と、周りの状況を、映画を通してつぶさに見ていくと、こういう思考回路に陥ってしまうのも、分からないわけでもありません。あとは、ただ、それを誰かのせいにして、そして、それを実行に移すか、移さないかという、大きなボーダーラインはあると思います。 
ただ、彼の内面での葛藤が、とても大きく、苦しかったことは、よく理解できました。 
こうなってしまうのは、彼の持って生まれた性格が、原因のひとつでもあるだろうし、それによって生じた心の病に罹っていたのかもしれません。 
立ち直ろうともがく彼の前に立ちはだかる種々の困難。 
たった一人の友人も、彼の心の傷を癒すだけの力がなかったのは、これはもう、しょうがないかもしれませんねぇ。
  
職場の上司が、もっと誠実な人間だったら。銀行の融資がスムーズにいったら。妻との和解が成立していたら・・・。 
それらのひとつでも、いい方向に向かっていたとしたら、こんな事には、きっとならなかったことでしょう。でも、こんな八方ふさがりの人って、世間には意外といるかもしれないとも思います。 
ひとつもいいことがない・・・。そう思ってしまった人間に残されるものは、いったい何なのでしょうか。
  
こんな暗くて、やりきれない映画を支えるのは、ショーン・ペンの演技力です。 
気弱で、キレたら何をするか分からない男を演じさせたら、彼の右に出る人は、いないかもしれませんね〜。 
最初のヒゲは、びっくりするほど年寄り臭くていただけませんでしたが、その後は、とても、よかったです。 
ショーン・ペンの演技を堪能したい方は、是非ご覧ください(^^)。(2006,10,12)
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