ペットの健康管理(イヌ編) |
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日頃の健康チェックで「予防に勝る治療はなし」。
食欲はある?お水を飲む量は?元気はある?うんちの状態はどうかしら。
毎日気にしているこれら以外に、毎日のお散歩の前後やブラッシングの時に、ぜひボディーチェック(耳、目、鼻、口、背中、お腹、足、シッポ・お尻と順番に)をする習慣をつけましょう。
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1.耳のチェック |
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耳あかが溜まっていないか。赤くなったり腫れていないか。臭くないか嗅ぎましょう。垂れ耳のイヌは耳の病気になりやすいので注意をしてあげましょう。
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2.目とお顔全体のチェック |
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瞳に輝きはあるか。黒目に濁りはないか。充血していないか。目やにが多かったり膿状の目やにが出ていないか。涙が多くないか。
目を気にしたり、涙が多い時は、逆さまつげなどの刺激で目が傷ついていることなどがあります。
健康なイヌの鼻は起きているときには適度に湿り気をもっています。
鼻水が多かったり、くしゃみや、寝ているときに急にいびきをかき出した場合には病気が隠れている場合がありますので、早めに獣医師へ相談をしましょう。
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3.口のチェック |
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口臭がないか。歯石が付いていないか。歯茎が赤く腫れていないか。イボや皮膚がただれていないかなどお口の中までチェックしましょう。
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4.背中・お腹のチェック |
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体を痒がったり。体をなでたりしても痛がったりしないか。首筋や背中などの皮膚をかき分けてフケやハゲ、しこりなどがないかチェックしましょう。雌イヌの場合には、腹部のふくれや乳腺にしこりやただれなどがないかも注意深く見ましょう。
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5.足のチェック |
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歩き方に異常はないか。爪は伸びすぎていないか。肉球(パッド)に傷がないか。肉球の間に異物が入っていないかチェックしましょう。特に狼爪は他の爪と違ってすり切れませんので定期的に切ってあげましょう。
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6.シッポ・お尻のチェック |
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シッポは元気のバロメーターです。だらりと垂らしていないか。肛門や周囲が汚れていたり、腫れていないか。痒がったり。お尻をなめたり気にしていないか。
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7.寄生虫 |
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ノミやダニなどは庭や公園の草ムラに宿主が来るのを待っています。被毛の中を縦横無尽に移動していますので見付けることは難しいですが。ノミが寄生すると体を掻いたりシッポの付け根を咬んだり、シッポの付け根に砂粒状の黒い粒がある場合には、ノミが寄生している可能性があります。濡らしたティッシュペーパーに黒い粒を置いて少し経って赤い輪染みが出来たらノミが吸血した糞です。
お尻をなめたりすりつけたりする場合には、肛門膿腺が溜まっていたり、瓜実条虫が寄生していることがあります。ノミを食べたり咬んだりした際に、この寄生虫に感染します。
肛門腺はウンチと伴に排泄されますが、肥満犬や運動不足の犬は肛門括約筋が上手く働かないので自分で上手く排泄出来ない犬は動物病院などで定期的に絞ることになります。
ダニは、頭部や目、耳などの毛が少ない部分や脇や肉球の間に寄生することが多いです。
ノミやダニが多く寄生するとアレルギーを起こしたり、貧血(バベシア症感染症)などを引き起こします。この他外部寄生虫 フィラリア症は蚊が媒体する寄生虫です。この寄生虫は、心臓に寄生しますのでイヌの元気がなくなったと気が付いた時にはすでに手遅れの状態であることが多いです。
耳をしきりに掻いたり、頭をよく振る場合には、耳ダニの感染や外耳炎を起こしていることがあります。
毎日のお散歩の後には、外部寄生虫チェックを兼ねてボディーチェックをしてあげましょう。
これら、寄生虫症は予防出来ますので、かかりつけの獣医師に相談して下さい。
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8.年齢・性別 |
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- 赤ちゃん犬・・・吐く、下痢を繰り返したり、あるいは熱があるなどの症状が見られたら早めに獣医師の診察を受けましょう。元気があっても下痢便に血や粘液などが混じっている時には、便を持ってすぐに獣医師の診察を受けましょう。
免疫力や体力がない為に様子を見ている間に症状を悪化させたりすると治療が長引くことにもなります。
子犬は、一度にたくさん食べると消化不良を起こしたり嘔吐や下痢を起こしやすくなります。
出来れば一日3回くらいに分けてあげましょう。子犬を疲れさせないように、季節の変わり目やエアコンの温度にも注意が必要です。
- 高齢犬・・・起きている時間よりも寝て過ごす時間が長くなりがちです。歩くのをいやがったり、階段の上り下りを嫌がったり。体を触られることを嫌がったりする場合には、関節の病気が疑われます。
痛みがある場合には、痛みを抑えることも出来ますので獣医師に相談をして下さい。
認知症になったり、寝たきりになって介護が必要になることもあります。
年齢以外に元気が無い裏に病気が隠れていないか健康管理に注意をしてあげましょう。
未避妊のメス犬
- 子宮蓄膿症・・・おりものが出ていないか。不正出血はないか。よく舐めていないか。水を飲む量が増えたり、食欲の増減がないか。
- 乳腺腫瘍・乳腺炎・・・お乳が腫れている。しこりがある。しこりが増えたり大きくなったなど。
未去勢のオス犬
- 肛門周囲腺種・・・肛門の周囲やシッポの付け根あたりにできるできもの。便秘をおこしやすくなったりします。良性であっても化膿したり、悪性化することもあります。
まれに雌犬にも出来ることがあります。
- 前立腺の病気・・・前立腺が肥大したり膿が溜まったら。ウンチの出が悪かったり、オシッコの出が悪かったり、膿でオシッコが濁ったりします。
睾丸の病気・・・睾丸が腫れたり、傷や炎症があったりしたとき。食欲がなくなったり、歩きたがらなくなったり、頻繁に陰嚢を舐めることで気が付きます。
陰嚢(片方あるいは両方)の場合には、腫瘍化しても見た目には気が付かないことがあります。定期的にさわって熱がないか、腫れやしこりがないか注意が必要です。
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病気・ケガの治療などで、獣医師の指導でお薬を飲ませたり、目薬を点したりケアが必要になった場合、日頃から体のどの部分を触っても嫌がらないように慣れさせておくとケアが楽になります。また、毎日体に触れることで、健康状態のチェックも出来ますし、信頼関係を深める事にも繋がります。
ただし、嫌がることを無理矢理行うのではなく、最初は徐々に体を触れさせることに慣れさせて下さい。決して押さえ込んだり、無理強いをしないようにしてください。
上手くできたらたくさん褒めて、ご褒美に好きな食べ物などを利用してもよいでしょう。
いずれの場合も、気が付いたら早めの治療が大切です。
愛犬の一番の主治医は日頃一緒に暮らしている飼い主です。
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小型犬モデル:シーズー まどかちゃん(8歳・♀)
中型犬モデル:ミックス ルナちゃん(6歳・♀)
りんちゃん(6歳・♀)
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