保定(ほてい)とは |
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動物病院で診察や治療を受ける時、自宅で薬をつけたり、飲ませたりする時、お手入れする時などにイヌが暴れたり動かないようにする便利な抱き方です。
狂犬病予防集団接種会場には、イヌを保定出来る方が連れて行きましょう。 |
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ポイント; 普段から保定をすることに馴れさせましょう。病院での予防注射や検査や採血時のみ保定をすると、イヌにとって嫌な記憶しか残りません。
上手に動かずにじっとしていることが出来たら、声をかけて身体を撫でたり、直ぐにご褒美のおやつを与えるなど保定をされた後には楽しいことや嬉しいことがあるようにして下さい。 |
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保定の方法 |
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保定の方法に決まりはありません。
保定とは力任せに押さえることではありません。保定者はイヌの身体を自分にぴったりとくっつけて、ヒジや腕や脇を締めることにより上手くイヌの関節の自由を奪うことが保定のコツです。
イヌの大きさやご自分がやりやすい方法をいろいろ試して練習して下さい。
保定をする人は、リラックスして落ち着いて下さい。
保定をする時には、イヌの身体を強く押さえすぎて呼吸困難を起こしたり、体温の急上昇などのないように十分に気をつけて下さい。 保定には、四つ足で立った状態の立位、お座りした状態の犬座位や横になって寝ている状態での横臥位などがあります。
ここでは、狂犬病予防集団接種会場での一般的な立位と犬座位、抱っこをした状態での保定の仕方をご紹介します。 |
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ポイント; イヌの状態を常に気にかけて万が一容態が悪くなった場合には、直ちに保定を外せるような方法を用いましょう。 |
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保定を行う際の注意 |
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- イヌの首輪は指1本が入るくらいきつめにします。ドアや窓を閉めたりしてイヌが逃げ出したりしないように注意しましょう。リードは短めに持ちましょう。
- 処置者(獣医師や看護士など)が噛みつかれないように、イヌが怪我をしたりしないように、保定者はイヌの口の位置やボディーランゲージにも十分に注意をしましょう。
- 保定者は診察中や処置中に処置者に話しかけたり、保定動物をのぞき込むと処置者の邪魔になったり保定者が噛まれる危険があります。
- イヌの興奮の程度や身体の変化、呼吸の変化や心拍数などにも注意しましょう。
- 診察台やグルーミング台など高所へイヌを乗せた場合には、飛び降りたりして怪我をしないように気をつけましょう。
- 爪をあらかじめ切っておくことで、ひっかき傷による怪我を防ぐことができます。
- 飼い主は保定をする場合には落ち着きましょう。飼い主の不安な気持ちでイヌが興奮することがあります。
- 恐がりのイヌや噛みつく恐れのあるイヌの飼い主は、必ず申告をし攻撃性があるイヌにはあらかじめ口輪をして連れて行きましょう。
- イヌの左右どちら側からでも保定が出来るようになりましょう。
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保定の種類 |
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1.四つ足で立った状態;(立位) |
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- イヌのアゴに片方の腕を下から回し、犬を自分の腕と胸に引き寄せます。イヌのアゴに腕を回した手で首輪を親指をかけて固定します。もう一方の手を犬のお腹の下にまわし、イヌを持ち上げ立たせます。イヌのアゴに回した腕のヒジを水平になるように上げると頭部が固定出来ます。
- 保定者の胸にイヌの体を引き寄せて、イヌとの隙間ができないようにします。頸に回した腕の脇は締めるようにします。
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ポイント; 大型犬などでイヌが腰を落とす場合には2人で行う場合もあります。一人がイヌと対面した状態で前部(頭部)を押さえ、もう一人が後部(尻)を下から手を回して腰を持ち上げます。この方法は、噛む恐れのあるイヌには向きません。 |
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2.お座りした状態;(犬座位) |
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- イヌのアゴに軽く下から腕を回しておき、もう片方の手でイヌの腰部を軽く押して、「お座り」させます。この際、股関節の後方を軽く前方へ押して「お座り」を促してもかまいません。
- イヌの頭部を抱きかかえるようにしてイヌのアゴに腕を回して首輪をつかみます。もう一方の腕は、イヌの腰部に回しておきます。
- 保定者の胸にイヌの体を引き寄せて、イヌとの隙間ができないようにします。アゴに回した腕の脇は締めるようにします。
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ポイント; アゴの下に回したヒジを上げると頭部が固定出来ます。この際、イヌが前足を動かし処置の妨げになるようであれば、前足を押さえます。 |
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3.口輪による保定 |
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- 装着方法が誤っていたり、サイズが遭わないものや、手馴れてないものでは噛まれたりイヌが怪我をする危険があります。
- 普段から口輪の装着に慣らせておく必要があります。口輪を装着する際には、動物の呼吸状態に十分注意をしてください。
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ポイント; イヌの場合、ストレスや興奮から「はあ、はあ」という、あえぎ呼吸(パンティング)による体温調節が出来なくなります。特に、春から初秋までの高温多湿の環境や、パグやシーズなどの短頭種、興奮しやすい性格のイヌ、長毛種での使用はイヌの状態に十分な注意を払う必要があります。 |
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4.保定器具 |
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- 噛みつかれない為のエリザベスカラーや動物の動きを制限するスライドケージなどがあります。
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イヌの体高や大きさによる保定の仕方 |
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超小型犬・・・チワワやダックスなど超小型犬の保定の仕方は、犬のアゴの下に親指と人差し指を入れて頭部が動かないように保定します。その時に強く押さえて気管を押しつぶさないように気を付けて下さい。嫌がって上に反り返る場合には、人差し指を軽く頭の上に添えて頭が上がらないようにして親指と中指でアゴを押さえます。
片方の手でイヌの身体を下から支えて自分の方に引きつけてヒジや脇を締めます。
小型犬の横抱き抱っこの保定をご参考下さい。 |
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- 小型犬の保定 ・・・抱っこをした状態での保定 (A4サイズ1枚)
- 中型犬の保定 ・・・立位と犬座姿勢での保定 (A4サイズ1枚)
- 大型犬の保定 ・・・立位と犬座姿勢での保定 (A4サイズ1枚)
- 保定の種類 ・・・抱っこ、立位、犬座位の保定 (A4サイズ1枚)
- 印刷用ファイル・・・パンフレットとして利用できます。(A4サイズ12ページ)
- 印刷のヒント ・・・印刷の仕方や上手く出来ない時の参考など
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口輪の種類 |
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口輪には、ソフトタイプ(画像左右)と従来からあるハードタイプ(画像中)のものがあります。ネコや短頭種用(画像左)や柴犬などマズル(口吻)が出ている種用(画像右)など様々ですが、長時間の使用には向きません。飼い主の管理の下で正しくお使い下さい。 |
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イヌの身体の名称 |
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