■迷子になった日 2006/05/10
■帰宅した日 2006/07/14
■状況 室内外自由にさせたばかり(元完全室内飼)帰宅せず
■届出先機関 警察署/保健所
■発見の決めて 配ったチラシを見た人からの情報
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<プロフィール>
モカ(避妊♀ 3才4ヶ月 体重約3kg小柄)/アメリカンショートヘアー(ブラウンタビー)
性格は外を知らないので臆病でもあり、好奇心もあり。淋しがり屋。
不明当時、デニム生地で赤の首輪(首外側に5〜6コの花模様/喉側にプラスチック製の魚型の住所札、小さな鈴が一つ)をつけていた。
5月10日に都内から埼玉へ引越してきて1ヶ月が過ぎた頃、その日は突然にやってきた。
モカが行方不明になってしまった。
前の住まいではマンションだった為、箱入り猫の完全室内飼いだった。
行方不明になる1週間程前からは、日中の1〜2時間だけ部屋の窓から中と外との出入りをするようになっていた。
モカは外に興味深々で、目の前の建物に巣を作っていたツバメにからかわれる姿がとても微笑ましかったのに・・・。まさかこんな事態になるとは思わなかった。
行方不明になってからというもの、毎日モカの事が頭から離れず何度も涙ぐんだ。
捜索中は近所の方も気にかけてくれ、本当に嬉しく、人の優しさに感謝した。
私は特に信仰はしていないが、その土地の神様や仏様を拝んでおくとちゃんと還ってくるものだ・・・と本当に実感した。
モカは、私が一人が淋しくて意を決して購入した猫だった。
ペットショップで売れ残り半額にされていて、購入の際女性店員が『よかったぁ。この子どうなっちゃうんだろう・・・と思っていたんです』と言っていた。
今思うと、モカは本当に運がいい猫なのかもしれない。
【モカ捜索の際に行ったこと】
・チラシを作成し近隣へ掲示、手渡し・・・約40枚
・ストッキングにトイレシートをほぐし入れたもの
・ヒモでくくったマタタビの木
・ほぐしたトイレシートとシェイクした猫砂
・モカのベッドのマット
◆反省点
・チラシはもっと大量にばら撒くべきだった。せめてこの倍の数は。数が多ければもっと早い段階で情報が集まり、交通事故に遭う事もなかったかもしれない。
・捜索中、橋の向こう、なおかつ道路を横断した地域まではさすがに行かないだろうと殆ど探さなかった地域で、実際はモカが発見された。
憶測は捨て、半径500mは探すべきだった。
・決して諦めてはいけない。モカは見つけてくれるのを待っていたんだ。
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【6月15日(木)・・・行方不明当日】曇りのち雨
日付が替わった0時頃、ゴミを出す為玄関を開けたら、モカが外出してしまった。
『またぁ〜、外はダメ!』とは言ったものの、家の周りにいて1時間のすればすぐ戻ってくるだろうと軽く考えて、帰りを待つことにした。
『にゃぁ〜』と小さな声が何度か外からかすかに聞こえてきたので窓から顔を出して名前を呼んでみたが、返事は返ってこなかった。
結局、3〜4時頃まで帰りを待ったが戻らず、深夜だったこともあり明け方には戻ってくることを期待して、少し就寝。
朝からどんよりとしていて、午後には雨。
家の裏・周りで名前を呼んでも戻らず、鳴き声も聞こえない。
これはどう考えてもおかしい!!と思い、急いで届出をした。
=連絡をしたもの=
・近隣2ケ所の『動物指導センター』(収容施設)
・交番へ『遺失物届』を電話で届出。
・動物病院へケガをした迷い猫等が持ち込まれていないか問い合わせ
1ケ所の『動物指導センター』ではとても親身になって聞いてくれ、『とにかく飼い主が名前を呼んで歩いて匂いを残すのが一番。大変ですけど頑張ってください』と言ってくれた。
涙が出そうだった。
午後、息子をおんぶしながら少しモカを捜索。
雨だし、息子は重いし・・・でくたくた。長くは捜索できず帰宅。
その日の夜から、夫と掲示用のチラシの作成開始。
雨でも大丈夫なように、チラシに透明テープを両面貼って強化。
夫がモカ捜索用にマタタビを購入して帰ってきた。
息子が寝静まった深夜からチラシ貼りに出かけた。
=貼った場所=
・家の周囲
・裏通り電柱・鉄柱
・バス通り
・町内会の掲示板
・ゴミ集積所
【6月16日(金)】朝から霧雨、午後には曇り
息子をおんぶし、家の近所を捜索。
たまたま近所の奥さんが表へ出ていたので、チラシを渡し協力をお願いし、数軒のお宅へも伺ってお願いした。
墓地へも行き、墓参りと神頼みならぬ仏頼みと、モカが入り込んでいないかの捜索。
午後、息子のお昼寝中にチラシ作成の続き。
その間、近所の方が『モカじゃないか?似てるぞ。モカー?』と騒いでいるので家の外へ慌てて出たら、オスのキジトラがマタタビで酔っぱらってた。
昨夜マタタビの粉を少し家の周囲に撒いたため、それに釣られて来たらしい。
『あ〜、もう、あんたじゃないのさ〜』と思いながらも猫が来てくれて少し心が和んだ。
そして、近所の方が気にかけてくれたことに感謝。
その後、息子が起きてから再度捜索に出かけたが、手掛かりなし。
さっき来たオスのキジトラが、家の周りをウロウロしている。
遠目からだとドキッとする位、色が似ている。
夜7時頃、息子とカレーライスを食べ始めた所、近所の方が『モカちゃんに似た猫ちゃんがいるの!見に行ける?』と訪ねてきた。
夕食を中断され呆然とする息子を抱きながら、猫のいる場所へ向かった。
大きさは似ているけど、違う猫だった。
どう見ても色が全然違うんだけど、折角声を掛けて下さったので『パッと見ると似てますね』と言って、帰宅。
夫が雨でも大丈夫なようにと、チラシ掲示用にクリアーポケットファイルを購入して帰宅。
モカ捜索グッズを作った。
=捜索グッズ=
・クリアーポケットファイルに入れたチラシ
・ストッキングの足部分にモカのトイレシートをほぐし入れたもの
・ヒモでくくったマタタビの木
・モカのベッドのマット
※猫砂はモカがいなくなる前日に換えたばかりで、消臭効果のあるものだった為砂まきは断念した。
深夜、夫と共に、上記の捜索グッズを引きずり歩きながら近所を捜索。
チラシも裏通り電柱などに、更に数箇所貼った。
雨も上がったし、なんとか匂いが残って欲しい。
【6月17日(土)】曇りのち晴れ
夫が休日だったので息子をベビーカーに乗せ、捜索グッズ、チラシ持参で出かけた。
=貼った場所=
・近所の掲示板、橋のたもとのフェンス
・橋の向こうの住宅街の電柱
他、数ヶ所
【6月18日(日)】雨
息子をおんぶして、近所を捜索。
少し範囲を広げてみた。
捜索に出かける度に雨が降り出す。探しても無駄!と誰かに言われているみたい。
夕食後、息子と二人で散歩しながら捜索。
橋の向こうにも行き、黒っぽい猫を見つけたが逃げられた。
息子の手を引いてくるんじゃなかった。
行きたいところへ行かせてもらえない・・・。
深夜、ゴミ出しをしながら近所を捜索。
夕方息子と行った橋の向こうへ再度行ってみたが黒っぽい猫はいなかった。
【6月22日(木)】雨のち曇り
モカがいなくなってから1週間が経ってしまった。
雨が上がってから捜索したが依然手掛かりなし。
買い物や息子を遊ばせる為、自転車で出かける際も捜索グッズを自転車にくくりつけて出かけるようにした。
友人が「猫が帰ってくる迷信」を教えてくれた。
《猫がいつも使っていたごはん茶碗(カラ)を逆さまにして猫が出入りしていた場所(窓とか玄関)に置いておく》
速攻やった。
【6月23日(金)】くもり
お昼前、息子を連れ自転車でいつも行く公園へ行って顔見知りのママにチラシを渡した。
行き帰りは捜索グッズを引きずりながら自転車で移動。
必ず一度は川沿いを通り、モカの名前を呼ぶが全く鳴き声は聞こえない。
どんどん悪いほうへ考えてしまう。
夜遅くになって、家のウラから物音がするので窓を開けて確認してみたら猫じゃない何かがいた!
体型からしてどうやらたぬきっぽいが、暗くて見えづらかった。
モカのエサの匂いに釣られて来たのかも知れないが、何でたぬきなんだ?
【6月25日(日)】くもり
夫と息子と3人で近所を捜索していたら、川沿いのお宅の奥さんからモカらしき目撃情報が得られた。
『雨が続いた翌日あたり(おそらく17日頃)キレイな赤っぽい首輪の猫がバス通り前の公園付近にいた。近くに似たような猫がいるんだけどその猫じゃなかったから、多分探している猫じゃないか?』というものだった。
そのあたりを重点的に探してみたがいない。
少し離れた地域へもチラシを貼った。
=貼った場所=
・近場のアパートと住宅街の電柱やゴミ集積所
・小学校前
・公園
・動物病院近くの電柱(動物病院は休みだった)
【6月27日(火)】曇りのち晴れ
動物病院へ行き、チラシを置かせてもらった。
実家で犬を飼っていた時にお世話になっていた先生だったので親身になって聞いてくれた。
『まだ、家裏あたりにいると思うんだよなぁ・・・』と先生。
少しやる気が復活して、午後になってから捜索グッズを使い、匂いで誘い込み作戦をした。
新しく作った捜索グッズ・ほぐしたトイレシートとシェイクした猫砂
誘い込みルート(遠くから)
小学校付近〜公園内〜お寺周り〜家周辺(近隣宅の裏)〜家
までを、猫砂をばら撒きながら自転車で移動。
昨日、生協の配達員さんが来た時にモカの事を『注意して見てみますね』と言ってくれた。
【6月28日〜7月1日】曇り・晴れ
連日の暑さとモカの捜索で体力的に限界。
藁をも掴む思いで、インターネットの迷い猫のサイトにいくつか投稿した。
もう、神頼みしかない精神状態。
目撃情報があった場所へも何度も行ってみるが、いない。
息子はあちこちに貼ったチラシを見るたび『なんなんいないねぇ〜』
『なんな〜ん』と呼びかけるので、切なくなってしまう。
息子が『なんなん!』と叫ぶので、指差す方向を見るとクロネコ便のトラックだった・・・。確かに猫だけどね。
【7月2日〜7月7日】雨・晴れ・曇り
きっともう誰かに拾われてしまったんだ・・・
こんなに探してもいないんだもん・・・と完全に諦めモード。
疲れで体調が優れず、モカ探しを止めた。
深夜、近所で猫のケンカの鳴き声が聞こえたので、ベッドから飛び起き懐中電灯を持って出かけた。
見ると、いつものオスのキジトラだった。
しかも同じような顔をしたキジトラがもう一匹。
懐中電灯を照らしたらケンカ終了になった。
私と主人を見て『なんなんだよ、アンタ達』って顔をしてた。
【7月8日(土)】曇りのち晴れ
近所の水宮神社へ行き、夫の厄除け祈祷(ついでに私と息子の健康祈願)をしてもらった。
夫は今年厄年。引越ししたとたんトラブルが続き、モカまでいなくなってしまったのでちゃんと厄払いしてもらおう・・・という事になりお願いした。
これ以上悪い事は起こってほしくない。
その後息子を公園で遊ばせ、いくつかチラシを貼った。
【7月9日〜12日】雨・曇り
完全に捜索を止めてしまった。
連日の暑さと捜索、睡眠不足でなんだかもう疲れてしまった。
自転車にも捜索グッズを乗っけるのを止めた。
自宅窓につるした捜索グッズも、湿度が高いと匂いが近隣宅へいくので取り外した。
それでも夜ゴミを出した際には、近所を歩きながら確認して回った。
【7月13日(木)】曇りのち雨
深夜、家周辺とドブを捜索。
猫の鳴き声がしたので、声のする方を集中的に見たが、姿は見えず。
家に戻り、もうこれで最後かな・・・と、《迷い猫れすきゅー隊》に投稿。
ある迷い猫・迷い犬サイトで見つけた《心を引き寄せるおまじない》を何度も何度も唱えた。
もう本当に神頼みしかない。
死んじゃったのかな・・・と頭をよぎるようになった。
【7月14日(金)・・・モカ発見!】晴れのち曇り
いつものように自転車で息子を連れ、公園と買い物。
夕方近く、徒歩で息子と近所を散歩。
散歩から帰り、ひと段落したところへ一本の電話が鳴った。
『猫を探してらっしゃいますよね?チラシによく似た猫がいるんですけど、赤い首輪に花の模様がしてあって、、、』
信じられない言葉だった。
また空振りかも知れない・・・と思いながらも場所を聞き、自転車で5分で行くことを伝え、電話を切った。
DVDに夢中の息子に『モカちゃんが見つかったかもしれない!行こう!』と言い
息子はポカンとしながら、でも少しは解っているのか私に連れて行かれた。
雨が降り始めてきた中、橋を渡った先の曲がり角付近で小・中学生くらいの女の子2人が傘をさして待っていてくれた。
女の子たちも興奮して『首輪に花の模様があって、チラシとよく似てるから多分そうだと思う』
と言ってくれた。
人が数人集まっているところへ行き見てみると、よたよたしている痩せこけた猫。
毛色・首輪・顔、間違いなくモカだった。
奇跡としか言いようがない。
やっと会えた!モカ、モカ、モカ。ゴメンね。涙が止まらなかった。
=発見場所=
自宅から橋を渡り、道路を越えた川向こうの住宅街。
直線距離にして、400〜500m。
以前一度、夫が探しに行った地域だったが、橋を渡り道路を越えた所だったのでさすがにそこにはいないだろう・・・と、チラシも貼っていなかった。
=発見状況=
住宅街の方が見つけ、保護。
私の自宅側の住宅街入り口付近に貼ったチラシを剥がし、確認して連絡を下さった。
モカはガリガリに痩せ衰弱が激しかった。
尻尾は垂れ下がったまま。かなり汚れていて弱々しく鳴いた。
首輪の魚型住所札・鈴は取れて無くなっていた。
保護して下さった方々にお礼を言い、家にすぐ戻った。
戻る途中、近所の人がいたので『今見つかりました』と報告。
後日モカが安定してから、必ず保護してくれた方を訪ねなければ。
名前すら聞かなかったから後悔。
帰宅してからすぐに水とエサを与えた。
少し落ち着いてから身体のチェックをしてみたら、尻尾がおかしい。
尻尾の先1/3が折れている感じでカチンコチンになっていた。
尻尾の付け根部分は、脱臼しているのかブランブランで動いていない。
(※後の往診で脱臼ではないことが判明)
これはすぐ見てもらった方がいいと思い、動物病院へ往診をお願いした。
=現在の状況=
往診で治療を継続中(7月現在)。
触診では当初骨には異常がない感じだったが、後日、尻尾付け根が骨折している事が分かった。
おそらく交通事故に遭い、その影響でオシリがマヒし、尻尾がダランとなっていた。
尻尾の先の方1/3はカチンコチンで死んでいる。
今後、死んでいる部分を切断することになるだろう。
自宅に戻ってから4日目でうんちも硬くなり、自力で出せるようになった。
おしっこは膀胱がマヒしていて自力で出せない為、膀胱圧迫で出してあげている。
先生にやり方を教わり、私も1〜2回出してあげられるようになった。
根気よく続け、おしっこも自力でできるようにさせてあげたい。
先生も『奇跡だよ。本当によく見つかったね。この子は運の強い子だねぇ』とびっくりしていた。
モカは小さい体で、どれだけの苦痛を味わって鳴いて私を待ったのだろう。
自分の行動一つ一つをとても後悔した。
どうか、一日も早く元気なモカに回復してください。
〔飼い主さんの了解の上頂いたメールを公開しています。〕
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