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獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん獣医師になりたい
文章:sutemaru(獣医師)
初出:2002/06/20
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こどもあんぜんサイト宣言

ある一人の獣医さんが歩いた道です。
こんな獣医さんのなり方もあるのかという参考にでもなりましたらと思いました(^_^)。
生まれた時から動物が回りにいて、その子達が遊び相手だった私は動物のいない生活等考えられませんでした。
私が動物を助ける仕事をしたいと具体的に考えたのは小学校5年生の時でした。
学校の将来について書きなさいと言うよくあるパターンの作文に、捨てられた犬や猫の「犬猫ホーム」を作るのが夢と書いたものでした。
半世紀ほど前の時代でしたから、女性が獣医師になれる等と言う事がまだ無い時代でした。
飼い犬がフィラリアで死んだ時、自分が治してあげたかったのにとそれは悲しい思いをしました。
これもよくあるパターンです。
女性が獣医大に入れると判ったのは高校3年でしたが、それを聞いた時自分はそこに行くと決めました。
それまで勉強もあまりしなかったので、今考えても一生で一番勉強をした時期でした。
決めた時期が遅かったので、必死でした(^^ゞ。
獣医師になって病気の動物を救いたい、それだけでした。
幸い、大学に入れましたがそれからが大変でした。
好きな動物を殺さないと卒業まで行き着けない、しかも大学を卒業しても国家試験に受からなければ獣医師にはなれない。
やはり、悩みました。
殺す事が出来なくて、実験動物は自分のものは全て内緒で連れて帰りました(もう時効ですね)
それでも、殺さなくてはならない動物に対しては、決してあなたの命は無駄にしないからと、ふざける男子生徒を怒鳴りつけて勉強した事もありました。
解剖があると聞いてから最初の解剖までは退学しようかどうしようかと悩んだ事もありましたが、一頭殺した時に絶対もうやめられないと「一殺百生」を心に誓い今まで生きて来ました。
一生助けていっても、その数は足りないでしょう。
今、嬉しい事に獣医師になりたいと思う方は多く、しかも大学に入って来るのは女性が半分以上のようです。
動物を助ける為に入るのに、最初にする事は動物を殺す事だったと悩む学生さんも多いですし、辞めてしまう学生さんもいます。
親御さんにしてもそこまでにかかる費用も馬鹿にはならないものでしょう。
ですから、ただ可愛がりたいからとか、殺すなんてと悩むのでしたら、最初から他の動物と接する職業を選ぶ事をお勧めします。
助ける為にはどうしても通らなければならない道を通る覚悟を持って、受験しなければならないと思います。
命を預かると言う事は厳しい事です。
厳しい事に直面するにはどんな辛い事でも通り抜けて行かなければ出来ない事です。
それらが自分に出来るかどうかを考えてから、選んで欲しいと思います。
そして、この気持ちは動物を飼うと決めた方達にも言える事だと思います。
飼うと言う事も命を預かる事ですから。
そして、無事大学に入れた時には、是非是非心優しい、動物を愛する獣医さんになって欲しいと思います。

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