獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199712-356

Dr.ヒゲクマ並びにKAORUさんへ
投稿日 1997/12/31(水)11:09:13 プロキオン

お二人の会話、興味深く拝見させていただきました。

「鶏の成長促進のために与える抗生物質」という表現は、残念
ながら存在します。成長期の家畜が疾病に罹患すると発育が遅
れ出荷までに日数がかかるというので、これを防ぐために育成
用飼料には抗生物質の添加が認められています。この抗生物質
の名目が「成長促進のための抗生物質」という表現になってい
ます。当然ながら、鶏だけが対象ではありません。

また、ウイルスの生存戦略には3つあると思うのです。
1、宿主が死ぬ前に異なる種類の動物の体内に避難する。
   ・・・・ベクター、キャリアー、レセルボア
2、免疫抗体からの攻撃を避けるために、自らの体を変化させ    
  続ける。・・・・口蹄疫、馬の伝染性貧血、
3、宿主の遺伝子の中に潜んで休眠し、時節がくるまで宿主自
  身に増殖して貰う。・・・・いわゆる腫瘍ウイルス
そして、交差免疫が成立するウイルス程、進化の過程での分化
が近年になって行われたのだと思います。猫エイズが人に感染
しないのなら、両者のエイズウイルスは人間と猫が進化の過程
で分かれた頃、同じように分かれたのではないかと。この点で
はヒゲクマ先生とは意見がことなりますが。

KAORUさんのおしゃられた鶏の処分の件ですが、日本でも
学校飼育動物に子供達が接触しないようにという通達があり、
ムッとしています。私は「人か動物か」という選択が嫌いなの
です。両方を助ける方策を考えるべきなのだ思うのです。

遺伝子食品については同感ですね。私のつれあいがひじょうに
関心を持っているのですが、思う方向には進んでいないようで
す。


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