意見交換掲示板過去発言No.0000-199803-101
リプライ:みどりさん、MIKAさん |
投稿日 1998年3月29日(日)12時50分 プロキオン
3月28日のみどりさん 口内炎の猫ですが、痛がる様子はないが気にしているということですね。耳 の中が汚れてきているのとのことですので、私としては免疫力の低下が起きて いるのでは?と考えています。つまり、FeLVとかFIVとか。どちらも口 内炎が初期の症状として発現しますし、ミミダニなどの感染もおきやすくなり ます。ワクチン接種済みの猫ですからカリシウイルスよりはこちらの可能性の 方が高いように思えます。FeLVの場合は1回の検査ではひっかからないこ とがありますので、見逃すこともあります。 あと、「好酸球性肉芽腫」による口内炎もヨダレがひどいですが、これは今 回はおいておきます。犬の訓練についても私はパスしておきます。 3月29日MIKAさんへ ジステンパーは確かパラミクソウイルスだったと思うのですが、このウイル スは動物の種類を越えて広く感染力を有しています。特に食肉目の動物には広 範囲に感染します。 ワクチンを製造する際には元になるウイルスの株が大変重要ですが、もう1 つ何の細胞で培養するかも大事です。これはウイルスの宿主となる動物の細胞 で培養すると毒力が強くなってしまい、ワクチンによる発病という問題が出て きてしまうからです。かといって、まったく感受性のない細胞ではウイルスが 発育してくれません。そのうえさらに 培養細胞の蛋白質がワクチンの被接種 者にアレルギーを惹起するものであっても困るわけです。 このような理由から、ワクチンメーカーとしては開発当初からかなり入念に 設計してワクチン製造に携わっています。ワクチン自身も犬用として認可申請 されますが、これは犬における有効性と安全性を試験しましたという意味です。 「ドヒバック」の場合、この安全性試験にフェレットも用いていますので、 フェレットにも使用できるということになっています。これは、フェレットが ジステンパーに最も感受性が高いと言われているので、フェレットが発病しな くて、かつジステンパーの感染を防ぐことが可能ということを試験したことに なります。 フェレットにワクチンを接種されている獣医師の先生方はこのことを承知し ているので、「ドヒバック」を選定しているのだと思います。 ただ、私としてはこのように商品名がとびかうというのはあまり好ましいとは 考えておりません。他のメーカーのワクチンでも安全なものもあるわけですの で。それで、少し前までは「鶏の細胞云々」という隠語的な言われ方をしてい たのでしょう。(細胞の種類も上記のとおり大事ですが。) ちなみに、狂犬病ワクチンは 犬用のものは「ハムスターの肺の細胞」で、人 間用のものは「鶏胎児の線維芽細胞」で造られています。 |
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