獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199803-96

リプライ:肥満細胞腫
投稿日 1998年3月28日(土)13時09分 プロキオン

3月27日の小林さんへ

 肥満細胞腫のタイプですが、少なくとも内臓や消化器型のものではなさそう
ですね。でも足の深部まで侵入しているということですから、腫瘍の切除が目
的ならやはり足の1本は避けられないかもしれません。前腕部や手にできた腫
瘍でも肩からの切断が必要になることが珍しくありません。そこで、足の付け
根が患部であれば、マージンが充分にとれませんので、手術によって断脚を行
っても転移病巣による再発の可能性もあるかもしれません。
 主治医の先生もこの点から放射線を使用したのではないかと推察しておりま
す。10回の放射線があまり効果がなかったようなので、今回の手術も根治を
目指したものではなく、延命や生活状況の改善が目的なのかもしれません。
 したがって、術後の注意事項は「患者と飼い主がどのような関係でどのよう
な生活を送るかということを考えておいて下さい」ということにつきます。

実際上の話としては、体重の7割は前足で支えていますので、後ろ足が1本な
くても歩行には支障がありません。でも、運動量はやはり減少するので、肥満
にならないようにして下さい。
また、付属リンパ節の切除や抗ガン剤の投与等から疾病に罹りやすくなったり、
元気の消失なども見られるかもしれません。
患者本人は3本足の生活にも直ぐに適応してくれるはずですから、このこと自
体はそう心配なさらなくても大丈夫ですよ。

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