意見交換掲示板過去発言No.0000-199805-46
股関節形成不全の検査について |
投稿日 1998年5月8日(金)11時48分 左近允 巌
4月12日発言の山平麻紀さんへ >どなたか股関節形成不全の検査について教えて下さい。友人がOFA >の為のレントゲンを撮りたいと言っているのですが、私の勤めている >(AHTをしている)病院の院長は良く知らなかったのです。アメリカ >の協会に日本からレントゲンを送れば証明書を発行してくれるらしく、 >ブリーディングをしていくのにOFAの検査も受けたいそうなのですが、 >その為のレントゲンには撮り方があるのでどこででもできるものでは >ないそうです。検査の方法や茨城、埼玉を中心に関東近辺で検査を行 >っている病院などを教えて下さい。 獣医師フォーラムで整形外科のボードリーダーをしている左近允です。 山平さんの上記の質問に対して、ファーブル動物病院の山口先生が回答 して下さいました。時間がかかってごめんなさい。 初めまして ファーブル動物病院の山口です。 股関節形成不全の公的診断である、OFAとPen−Hipについてそ の方法を説明させていただきます。 まず、OFAからお話しします。 1)レントゲン写真の撮影方法 動物を背中を下に仰向けに寝かせます(腹背像)。このとき股関節を 中心に撮影しますが、理想的には腸骨の前縁からパテラまで入るよ うにします。大腿骨は後方へ目一杯伸展させ、フィルムに平 行させます。脛骨を保持し内側に絞るようにして左右の大腿骨を平行に させます。重要なのはこのポジショニングで骨盤が左右対称、つまり腸 骨が左右対称、閉鎖孔も左右対称に写っていなければなりません。大腿 骨は左右平行でパテラが大腿骨の滑車溝の真上に乗っていることが重要 です。わたしは、ほとんどの症例で鎮静や麻酔は用いておりません。大 きなV字のポジショナーを用いればよほどの犬でなければ麻酔なしで撮 影できます。 このポジショナーはフジヒラサビックスで購入できます。 レントゲン写真を受け入れてもらうためにもっと重要なことは、撮影 時に以下のことを焼き付けておくことです。 それは、血統書のRegistration No.、犬種、生年月日 、獣医師名、撮影年月日です。これらの情報はフィルムマークシールな どを用いてレントゲンフィルムに撮影時に焼き付けます。シールやマジ ックでの後書きは、不正防止のために受け付けてくれません。 私は、X−Rite radio opaque label tape (X−Rite label Co.)を用いています。 2)申込用紙入手法 OFAに請求すると郵送してくれます。ファックスで申し込めばよいです。 Orthopedic Foundation for Animal 2300 E.Nilong Blvd. Columbia MO 65201 3856 Fax.(573)875-5073 3)申込用紙への記入法 血統書を見ながら、犬名、Registration No.、犬種、 生年月日、所有者、撮影時に焼き付けた獣医師名、自筆のサインなど 必要事項をローマ字記入する。撮影時に麻酔や鎮静剤を使用したかどう かの記入欄もあるので注意。裏表記入欄があるので注意。 4)料金 ヒップの診察だけであれば25ドル。25ドルの郵便為替を郵便局で作る。 5)郵送 レントゲンフィルム、申込用紙、郵便為替を同封し、国際ビジネス郵便で 2)であげた住所へ郵送する。 "hPen Hip"hについて ペンヒップはOFAより早期に股関節形成不全を診断でき、かつ股関 節形成不全の遺伝を阻止するためにはより有効である。 しかし、特別な器具(リストラクター)を用いて撮影する必要があり、 またその資格を有した人でなければ診断を受け付けてくれません。東京 で資格を持っておられる先生は川瀬先生(世田谷区桜1−64−11) です。 OFAはどの先生でも提出可能です。2歳以降で証明書をくれます。 2歳までは仮診断書となります。 以上 |
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