獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199806-118

tomoさんへ
投稿日 1998年6月23日(火)16時14分 寝子

私は獣医師ではないし、多分ムクムク先生がもっと適切なアドバイスを書かれると思ったのですが少しだけお節介させてください。(余計なことをしてすいません)

猫の場合、年齢に関係なく腎臓・肝臓の弱い子、弱くなる可能性を持った子が非常に多いと言うことをまず理解してください。中には2つある腎臓が最初から一つしか機能していない猫もいます。

猫はもともと砂漠の生き物です。(想像もつかないでしょうが、猫の身体は非常に温度差の激しい、厳しい砂漠の気候条件に適応して現在の姿になってきたそうです)
砂漠ではいつでも水が飲めるわけではないので、猫は少しの水で身体を維持するために、尿を濃縮して水分を上手に体内で再利用するための高機能の腎臓を持っています。が、それは裏返せばそれだけ腎臓にかかる負担が大きいということで、だから腎疾患や肝疾患になる猫が多いのです。

年齢に関係なく、もともとそのようになりやすい素質を持っているわけですから、「年を取った猫は腎臓や肝臓が悪くなっていて当然だ」、と思ってあげてケアしてやる必要があります。

高蛋白の食餌からはアンモニアなどの毒素が大量に発生します。それらが血流を通して安全に腎臓へ運ばれるためには水で薄める必要があります。(ですからいつでも、自由に飲める新鮮な水が必要なのです。)
もし、先生が低タンパク質の食事に切り替えるように、と指示されたなら、今与えている通常のフードでは腎臓に負担がかかりすぎるということですから、指示通り餌を替えられた方がよいのではないか、と思います。
先生が指示された餌は療法食(処方食)のことで、それぞれの症状にあわせた割合で栄養価を調合してあります。この餌は獣医師より直接購入する方法しかないようです。市販されているものでも、「老ネコ用」という表示で低タンパクをうたって販売されているものもありますが、もう少し通常の数値に戻るまでは先生の指示される餌の方が無難ではないでしょうか?なお、老ネコの場合や腎臓値・肝臓値に不安のあるネコの場合3−4ヶ月に1度は検査されることをお勧めします。


◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。